北海道は夏の気温が低めであることが大きなメリットですが、エアコンは必要なのでしょうか?
北海道におけるエアコンの普及率は、どれくらいなのでしょうか?
また、札幌へ引っ越しする場合に、エアコンは必要なのでしょうか?
北海道はとても広いので、一概にはエアコンの要不要論の答えにはなりませんが、札幌へ引っ越しする方へのヒントとして、まとめてみました。
北海道のエアコン普及率
エアコンの普及率については、実はあまりデータがありません。
2014年
唯一の公的データが、総務省統計局が公表している2014年(平成26年)「全国消費実態調査」で、都道府県別にルームエアコンの所有数量と普及率が掲載されています。
普及率を北から並べてみると、
全国平均 86.4%
北海道 25.7%
青森県 51.6%
岩手県 57.2%
宮城県 69.3%
秋田県 72.3%
山形県 74.9%
福島県 68.9%
茨城県 89.5%
栃木県 89.5%
群馬県 87.2%
埼玉県 92.3%
千葉県 92.3%
東京都 89.6%
神奈川県 89.3%
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これを見ると、北海道だけでなく、東北の各県も全国平均を大きく下回っていますが、北海道は25.7%と極端に普及率が低いことが分かります。
ちなみに、北海道内の主要都市別にもルームエアコン普及率があります。
札幌市 27.0%
函館市 25.1%
旭川市 34.0%
釧路市 5.3%
帯広市 48.8%
苫小牧市 20.2%
2019年
北海道ローカルテレビ「どさんこワイド朝(札幌テレビ)」の「ナニ派?リサーチ」という特集コーナーで
家にエアコンは? というリサーチに対して
ある 2,884(41%)
ない 4,127(59%)
と、約4割が「ある」と答えています。
2014年の総務省統計局の数値と全く同列に見る訳にはいきませんが、年々、北海道の人たちにも夏の暑さが記憶され、エアコンの普及率が上がってきているものと思われます。
もしかしたら、北海道の冬の暖房はガスや灯油が主体でしたが、寒冷地仕様のエアコンも性能が高まってきたことで、エアコンの普及率UPに貢献している面もあるかもしれません。
札幌はエアコンなしで夏大丈夫か?
以下の気温に関するデータは、全て気象庁の過去データを参考にしています。
北海道各地の夏の気温
北海道各地の8月上旬の最高気温と最低気温の2011年~2020年の10年間平均を一覧にしました。
同じ北海道でも、随分と気温が違うことが分かります。
(℃) | 8月上旬の平均 | |
最高気温 | 最低気温 | |
札幌 | 28.0 | 20.5 |
稚内 | 23.1 | 17.8 |
留萌 | 25.7 | 18.9 |
旭川 | 28.5 | 18.2 |
網走 | 23.8 | 17.4 |
北見 | 26.4 | 16.9 |
岩見沢 | 27.9 | 18.8 |
小樽 | 26.9 | 19.4 |
根室 | 21.5 | 15.1 |
釧路 | 22.8 | 16.7 |
帯広 | 27.1 | 17.9 |
苫小牧 | 24.2 | 19.0 |
室蘭 | 24.7 | 19.4 |
倶知安 | 26.9 | 17.8 |
江差 | 26.8 | 20.6 |
函館 | 27.2 | 20.1 |
北海道各地の真夏日の日数
北海道各地の真夏日(30℃以上)の日数(年間)について、1991年~2020年を10年間単位で平均日数を算出し一覧にしました。
少ない地域は変化がありませんが、日数が多い地域は、増加傾向にあることが分かります。
1991-2000年 | 2001-2010年 | 2011-2020年 | |
札幌 | 6.8 | 7.7 | 11.4 |
稚内 | 0.1 | 0.0 | 0.0 |
留萌 | 2.0 | 1.2 | 2.9 |
旭川 | 9.0 | 8.1 | 14.7 |
網走 | 3.7 | 4.2 | 5.3 |
北見 | 9.3 | 10.3 | 15.4 |
岩見沢 | 5.8 | 5.4 | 9.8 |
小樽 | 5.0 | 3.7 | 7.1 |
根室 | 0.4 | 0.6 | 1.5 |
釧路 | 0.0 | 0.2 | 0.7 |
帯広 | 9.9 | 11.8 | 15.5 |
苫小牧 | 0.3 | 0.6 | 0.9 |
室蘭 | 0.0 | 0.9 | 1.5 |
倶知安 | 3.8 | 2.2 | 5.0 |
江差 | 2.2 | 1.6 | 3.5 |
函館 | 2.5 | 3.5 | 6.2 |
札幌の真夏日の日数・月別
札幌の真夏日については、もう少し詳しく年別・月別で一覧にしてみました。
よく、札幌の真夏日は「ひと夏で8日だけ!」といった情報がありますが、2012年の「20日」や2019年の「18日」などの年もあり、しかも2019年は7月下旬から8月上旬にかけて10日連続で真夏日を記録しています。
また、年によって真夏日が7月に多かったり8月に多かったり一定ではないことが分かります。
7月 | 8月 | 意外の月 | 合計 | |
2011年 | 1 | 8 | 2 | 11 |
2012年 | 7 | 6 | 7 | 20 |
2013年 | 4 | 5 | 0 | 9 |
2014年 | 5 | 4 | 3 | 12 |
2015年 | 4 | 2 | 0 | 6 |
2016年 | 1 | 8 | 2 | 11 |
2017年 | 7 | 0 | 0 | 7 |
2018年 | 6 | 1 | 1 | 8 |
2019年 | 5 | 8 | 5 | 18 |
2020年 | 0 | 8 | 4 | 12 |
札幌ではエアコンが必要な訳
上記の通りで、同じ北海道でも、地域によって全くエアコンを必要とする度合いが異なります。
稚内・根室・釧路・苫小牧・室蘭など沿岸部を中心とした地域では、一番暑い8月上旬でさえ、日々の最高気温は25℃未満であり、30℃を超える日も年に1回あるかどうか?ですから、エアコンが必要と思える日はごく限られています。
しかし、札幌の場合は最高気温(日々の平均)が28℃・最低気温は20℃ですから、エアコンが無いと厳しい日が何日かあります。
特に、札幌の気密性の高い・防寒性の高いマンションにお住まいの方は、最低気温が22℃を超えるような日は、夜間もエアコンを付けておかないと寝苦しくなります。
札幌でも、2010年くらいまではそれほどではなかったものの、2012年以降は「最近は、北海道も厚くなった!」という声が増えてきました。
2015年~2018年頃の記憶だけで言えば、エアコンなしでも大丈夫!と言えるのですが、2012年や2019年を経験してしまうと、エアコンは必要であると言わざるを得ませんね。
ひと夏のほとんどの日は、扇風機だけでも大丈夫なのですが・・・15日~30日くらいはエアコンがあった方が良いです、勿体ないですが。
札幌に移住した最初の年は、以前の地元と比較をして「暑くない!これくらいなら扇風機だけでも大丈夫!」となります。
しかし、慣れというのは恐ろしいもので、札幌に5年も住んでいると、30℃どころか28℃くらいでも暑い!と感じてしまいます。
逆に真冬のマイナス気温にも慣れて、氷点下5℃くらいでも外出が苦にならなくなります。
もう東京にUターンするのは無理そうです・・・
以上、北海道のエアコン普及率は?札幌でエアコンなしは??必要な理由!!でした。