北海道移住やめとけ!騙された!から得られる意外な事実《まとめ》

北海道移住の体験談で「騙された!」とか「やめとけ!」という内容よく目にしますが、その大半は、美味しい過ぎる北海道・札幌移住メリット話に裏切られた場合が多いですね。

よく、札幌移住のメリット・デメリットに関するタイトルのブログ記事も目にしますが、これらのいろいろな情報は、発信している人によって意見が真逆であったり、私自身の感覚でも首をひねりたくなる内容があります。

北海道や札幌のいろんな特色・情報には「表と裏」もあり、また捉える人の感覚で表にも裏にもなる表裏一体的なところが多分にあります。

また、様々な選択の仕方次第で、その特色が良い方にも悪い方にも、どちらにも転んでしまう要素があります。

私も、札幌に引越して生活を始める以前に、札幌の良いところも悪いところも、何度も旅行した経験なども踏まえ、自分の知識+ネット情報など、いろいろと事前準備ができていたつもりでした。

しかし、いざ住み始め5年が経ってみると、期待していたメリットが外れであったり、避けようとしていたデメリットが実は大した問題では無かったり・・・

そこで、美味しい話には「●●に騙されるな!」、こんな人は「●●を選ぶのはやめとけ!」といった観点で、これから北海道移住を検討される方の判断材料になるような内容にまとめてみました。

この●●の部分を、何かを選択する際の注意点として考慮してもらえると、失敗や後悔の少ない北海道移住が始められると思います。

できる限り分かりやすく、多くの方に理解して頂けるようまとめたつもりですが、100%の方に理解してもらえるはずはありませんね。

しかし、実際に生活してみないと理解できないという部分もありますので、全否定ではなく「へぇ~そんなもんなのね」くらいに受け止めて頂くと、何かを選択する際の意外なチェックポイントになるかもしれません。

前半戦だけは、根拠となるデータもきっちり掲載しますが、読む文字量が多くなると疲れるので、途中からはデータから読み取った概要だけ説明し、データそのものは掲載しないようにします。

目次

北海道の気候/ネット情報の常識に騙されるな!

同じ北海道でも異なる気候「夏は涼しい」に騙されるな!

まず気候については、北海道を一色単に考え、夏は涼しことがメリットで、冬はかなり寒いのがデメリットであると考えられている方が普通だと思います。

しかし、同じ北海道内でも、札幌とその周辺・内陸部と海沿い・オホーツク海と太平洋側などの地域差で、気候は大きく異なるということを理解して頂ければ、その後の内容も理解しやすくなります。

例えば、夏の気温を各地域で比較してみます。

一番暑い8月上旬の日の最高気温/平均と最低気温/平均、最高気温が30℃以上となる真夏日の年間日数について、2011年~2020年10年間の平均値を一覧にしました。

一覧データを見ると、札幌・旭川・帯広は暑すぎる日が多く、釧路・根室・稚内は涼しいというよりは肌寒しく、程よく快適なのは苫小牧と室蘭あたりであることが分かります。

地図上では近くに見える釧路と帯広、網走と北見は、沿岸部か内陸部かの違いが大きく、日中の気温上昇方がけっこう違います。

(℃) 8月上旬の平均 年間日数
最高気温 最低気温 真夏日
札幌  28.0  20.5 11.4
稚内  23.1  17.8 0.0
留萌  25.7  18.9 2.9
旭川  28.5  18.2 14.7
網走  23.8  17.4 5.3
北見  26.4  16.9 15.4
岩見沢  27.9  18.8 9.8
小樽  26.9  19.4 7.1
根室  21.5  15.1 1.5
釧路  22.8  16.7 0.7
帯広  27.1  17.9 15.5
苫小牧  24.2  19.0 0.9
室蘭  24.7  19.4 1.5
倶知安  26.9  17.8 5.0
江差  26.8  20.6 3.5
函館  27.2  20.1 6.2

「札幌の真夏日は8日だけ・エアコン不要」に騙されるな!

札幌や内陸部の旭川・帯広・北見辺りでは、30℃を超える日が、東京大阪に比べれば大したことはありませんが、年に10日を超えます。

日本一涼しい街として紹介されたことのある釧路や太平洋側の苫小牧・室蘭などは22度くらいの涼しい夏の日が多く、30℃を超える真夏日は年に1~2日あるかどうか?です。

「札幌も最近は30度超えて暑い!」という声に対し、「札幌で30度を超える日は年間で8日前後だから大丈夫!」という声もあります。

しかし2010年以降の札幌では、2012年には真夏日が20日もあり、2019年には10日連続で真夏日を記録しました。

また、2017年には8月の真夏日はゼロで年間でもたったの7日でしたが、その7日が7月の中旬に集中し、10日以上は28℃以上の暑いな~エアコン欲しい!という日が続きました。

年によって、札幌の真夏日日数は異なりますので、参考までに2010年から2020年までの年別・月別日数を一覧にしましたのでご覧ください。

7月 8月 意外の月 合計
2011年 1 8 2 11
2012年 7 6 7 20
2013年 4 5 0 9
2014年 5 4 3 12
2015年 4 2 0 6
2016年 1 8 2 11
2017年 7 0 0 7
2018年 6 1 1 8
2019年 5 8 5 18
2020年 0 8 4 12

ではエアコンは必要か?不要か?

正直、我慢するかどうかの問題もあり、私も移住後最初の2年間は冷房無し・扇風機やサーキュレーターのみで暮らせました。

夜は20度くらいまで下がり、熱帯夜になることはほぼありませんでしたので、防犯上から窓を閉めて寝たいという方でも冷房無しで大丈夫で、日中30℃を超えるような暑い日だけ扇風機をかけっ放しで寝れば大丈夫でした。

しかし、2012年や2019年のように真夏日の日数が多い年だけでなく、2017年のように28℃超えの暑い日が連日のように集中してしまう年は、やはりエアコンがあった方が良いですね。

私も昨年と今年はけっこう冷房を使いました。けっこうと言っても利用日は15~30日程度ですし、1日中ガンガンに使う訳ではありませんので、冷房費用が大きくかさむことはありません。

慣れというのは恐ろしいもので、札幌の夏を5回も経験すると、東京では何ともなかった28℃くらいの最高気温が、とても暑く感じるようになります。

北海道の冬は寒さ厳しい!に騙されるな!

下に、北海道各地の最も寒い時季である1月下旬の気温を、平成の30年間平均と30年間で一番高い年・低い年の気温を一覧にしました。

夏と同様に、同じ北海道でもかなり気温が違うことが分かりますが、大きな差が出るのは最低気温です。

やはり内陸部は冷え込み、沿岸部でも太平洋側では冷え込みやすい地域があります。

そんな中、札幌はかなり冷え込みが弱い地域なのですが、札幌だけは地形の問題よりもヒートアイランド現象によって、夏も冬も気温が高めの地域になります。

列車でわずか37分しか離れていない新千歳空港のある千歳市とは、最低気温が6℃以上も違います。

また、札幌は降雪量も多いため、体感的にもあまり寒さを強く感じません(降雪量の詳細は後段にて).

雪が降ると、雪の保温性と熱、厚い雲に覆われることによる保温性、風が弱くなることなどから、意外と寒くないのです。

最高気温(℃)旬平均 最低気温(℃)旬平均
30年平均 高い年 30年平均 低い年
札幌 -0.7 1.8 -6.9 -11.9
稚内 -2.9 0.0 -7.1 -10.8
留萌 -1.5 1.0 -8.1 -13.4
名寄 -4.7 -0.8 -15.4 -23.9
旭川 -3.4 -0.5 -12.3 -17.8
網走 -2.6 0.3 -9.6 -14.8
北見 -3.0 0.3 -14.6 -20.9
岩見沢 -2.2 0.5 -9.9 -14.6
小樽 -0.8 1.7 -6.4 -9.7
根室 -1.4 1.3 -7.2 -11.1
釧路 -0.7 1.4 -10.8 -18.4
帯広 -1.8 1.0 -13.8 -21.0
苫小牧 -0.0 2.1 -8.7 -14.5
室蘭 0.1 2.5 -4.6 -7.5
倶知安 -2.2 0.6 -10.5 -15.2
江差 1.4 3.9 -4.0 -7.0
函館 0.6 3.2 -6.6 -11.3
千歳 -1.2 0.8 -13.3 -17.8

暑がりな人は札幌移住はやめとけ!

寒さが弱い方の札幌であっても、最高気温が氷点下という日が多いのですが、外を歩く服装は東京在住時と同じ服(ダウンコード)で大丈夫です。

東京より気温が10℃も低いのにどうして?となりますが、その理由は「雪」にあって、気温の低い1月2月より、気温が上がっても雪が無くなる3月下旬~4月頃の方が寒く感じるくらいです。

また、札幌の住宅は防寒性を重視した造りになっており、部屋の中はめちゃくちゃ暖かい!というメリット意見もあるくらいです。

しかし、逆にこの室内の暖かさは、暑すぎるくらいで困りものなのです。

ウェザーニューズ社が行った2012年に行った「部屋の温度×セツデン調査」で、一番寒い1月の室温調査において、北海道が20.73度で全国1位であったそうです。

また、「室内で半袖+短パン」率でも、北海道は沖縄・長崎に続き全国3位でした。

それだけ室内が暖かいということですが、逆に、ガッチリ着込んだ服装で外出したあと、札幌市内のショッピングモールなどお店に入ると、室温が暑すぎて上着を脱ぎたくなります

しかも、コートを脱ぐだけでは済まず、セーターなども脱がないと暑いお店がが多くあるくらい暑いです。

オフィスであれば、ワイシャツ姿になりジャケットは椅子に掛けておけばよいのですが、買い物中などはコートもセーターも両方脱ぎ手に持ちながら買う物を手に取ったりするのが面倒になります。

夏に気温が高めであることも含め、暑がりな方は、北海道の中でも札幌は避けるべきですね

雪かきが嫌なら札幌や日本海側・内陸部の一軒家はやめとけ!

雪かきで疲労困憊とか、屋根から落ちて大けがされたとか、大雪に対する悪いイメージが北海道にはあります。

しかし、雪かきが大変なのは一軒家であって、札幌市内の多くのマンションはロードヒーティング設備もあり、雪かきをする必要はありません。

そして、その降雪量や積雪量についても、北海道の各地で大きな差があります。

雪かきは嫌だけど一軒家に住みたいという方は、札幌よりも雪が少ない太平洋側の地域をおすすめします。

下に、北海道各地の真冬である1月下旬の降雪量と積雪量について、平成30年間の平均と30年間で多い年の量を一覧にしました。

1月下旬 降雪量(cm) 最深積雪(cm)
30年平均 多い年 30年平均 多い年
札幌 53 157 76 119
稚内 49 132 59 106
留萌 60 108 73 122
名寄 62 95 89 131
旭川 49 128 70 122
網走 31 68 46 86
北見 42 75 61 125
岩見沢 68 183 101 167
小樽 67 155 94 141
帯広 20 106 53 91
釧路 11 66 20 67
根室 15 55 20 53
倶知安 119 299 156 229
室蘭 19 39 17 36
苫小牧 17 41 21 42
江差 22 67 19 44
函館 33 66 33 60
千歳 23 40 37 66

冬季うつ病が怖ければ札幌移住はやめとけ!

秋から冬にかけて、無気力になったり、常に眠い、とにかく食べたい!などの症状が出た場合には、北国特有の「冬季うつ」である可能性が高いです。

その冬季うつ病の大きな一因として、日照時間が関係していると考えられていて、緯度の高いヨーロッパなどでは極端に日照時間が短くなる頃に、このうつ病を訴える人が多くなると言われています。

日本では、冬に曇り空が多くなる日本海方面でも、うつ病が発生しやすいと言われています。

緯度の高さと冬の曇り空の両面を持ち合わせる北海道は、日照不足の影響を受けやすいので、注意が必要です。

その冬の日照時間(率)についても、北海道の各地で大きな差があります。

下に、北海道各地の真冬である1月下旬の日照時間を、平成の30年間平均で一覧にしました。

(参考までに、北海道外についても併記しますが、日本海側は日照率が低いことが分かります)

日照率だけで見れば、札幌よりも、日照がたっぷりある釧路・帯広などがおすすめとなります。

札幌の場合は、日照時間だけでなく「札幌の人は冷たい?」性格であることも大いに関係しています。

1月下旬の日照率(%)
札幌  32  青森 19
稚内  16  秋田 14
留萌  20  仙台 50
旭川  31 東京 62
網走  41 新潟 18
岩見沢  37 長野 42
小樽  23  名古屋 56
帯広  66  金沢 20
釧路  64  大阪 46
根室  53  広島 43
倶知安  18  松江 20
室蘭  34 高知 59
苫小牧  48  福岡 33
江差  13  鹿児島 42
函館  37 那覇 27

冬の雪道が怖ければ札幌移住はやめとけ!

北海道の冬の運転は「雪国」であるが故に怖さがありますが、その怖さには2種類あります。

1つ目は、ホワイトアウト状態で視界が悪くなるという怖さで、北海道各地で起こります。

2つ目は、特に札幌に偏った問題ですが、道路がスリップしやすくなるということで、こちらの方が遭遇確率は高くなります。

北海道の中でも札幌は雪が多い方ですが、ただ単に雪が道路上にあるだけであれば冬用タイヤを装着していれば問題ありません。

しかし、自動車の量が多い札幌の場合は、車による雪の圧縮と車から排出される熱と両方の要因で、道路がツルツル状態になり、スリップ事故が起こりやすくなります。

よって、雪道の運転に自信のないけどマイカーを持ちたいという方は、札幌よりももっと車の量が少ない地域を選んだ方が良いです。

「北海道には梅雨がない」に騙されるな!

「北海道の夏は涼しい」と同じくらいに「北海道には梅雨が無い」ということが、北海道のメリットになっています。

確かに、札幌と東京など本州の主要都市の6月下旬・7月上旬の降水量を比較すると、札幌は平均的に東京などの6割程度しか降水量が無いですし、気象庁が北海道には梅雨の現象が無いと認めています。

しかし、湿気のデータを見てみると、実は思ったほどの差が無く、2011年~2015年の5年間などは、ほぼイーブンです。

2015年に札幌へ移住して来た私のようなタイプでは、逆に2011年~2014年の東京の方が、2015年~2020年の札幌よりも湿度が低いのです。

よって、確かに雨の量は少ないけれど、だからと言って、北海道が本州以南よりもジメジメしないで快適であるか?については、メリットと感じられる確証はありませんので、事前に理解をしておくことで、ガッカリしないようにしましょう。

気候以外の北海道移住のメリット話に騙されるな!

「スギ花粉がない」に騙されるな!

確かに、札幌では「スギ花粉」はほとんど飛んでいません(北海道では、函館・旭川辺りでほんの若干程度)。

しかし、北海道にはシラカバ・イネ科・ヨモギの花粉症があって、北海道三大花粉と呼ばれる花粉症があります。

季節としては、シラカバが4月から6月頃(特には4月下旬~5月)、イネ科が5月から9月(特には6月~8月)頃、ヨモギが6月から9月頃(特には8月~9月)です。

2020年以降の新型コロナウィルス対策時には分からなくなりましたが、札幌ではゴールデンウィークあたりからマスクをする人が増え始めていきます。

「札幌には美人が多い」に騙されるな!

確かに、北海道には美人が多いというご意見が多くありますし、都道府県別の美人度ランキングで全国で3位!というメリット記事もありますが、いくつかのランキングの平均値を出してみても4位に入るそうです(1位:秋田 2位:沖縄 3位:福岡)。

そして、結婚する方が多い25歳~34歳の男女比率のデータを見ると、全国的には男性:女性=100:98で男性の方が多いのですが、、札幌市は100:110で逆に女性の方が1割も多いのです。

そして、札幌の女性の性格の1つとして「積極的である」という分析もあります。

しかし、総務省統計局のデータを見ると、北海道の「婚姻率」は全国平均の5.0%よりも低い4.6%です。

そして、同じく総務省統計局のデータによる「離婚率」は全国平均の1.81%を上回り1.99%と全国で5番目の高さです。

女性に美人が多いと喜んでいるのは大抵は男性でしょうし、男女比率から結婚できるチャンスかも!と胸躍るのも男性でしょう。

しかし、婚姻率も離婚率も良くない訳ですから、他に何かしらの課題があるということも、きちんと把握しておくべきでしょうね。

「札幌は都会と自然の両方があって〇」に騙されるな!

人口が200万人に近い大都市である札幌は、都会としての機能性も有しながら、大自然も近いという面がメリットとして挙げられることがよくあります。

しかし、大自然が近いということは、大自然の脅威も近いということです。

東京や大阪・名古屋でクマが出没するという騒動は聞いたことがありませんよね。

しかし、札幌市内では100件以上のクマの出没情報が、毎年のように報告されていて、住宅地を走るクマや何日も住宅地をうろつくクマの映像がニュースで流れていたりします。

クマだけでなくシカも、地方では列車に接触するなどよくあるようですが、2019年には札幌駅から5分程度の高級マンションの敷地内を走り回る大きなシカが発見されて、ニュースで生中継されたことがあります。

「自然豊かな公園が多い」に騙されるな!

確かに、札幌の中心部も周辺も大きな公園が多いのは事実です。

そして、マンションのプロモーションビデオなどでは、必ずと言っていいほど緑豊かな中に建つマンションの姿が映し出されています。

特に、中島公園や円山公園の近くに建つ高級マンションなどは、東京や大阪の喧騒の中で暮らしている人たちにとっては、かなり美しい光景で、こんなところで毎日住めるなんて!と、札幌でマンション探しを始めた頃には思うことでしょう。

しかし、円山公園はカラスのねぐらでもあり、中島公園もたくさんのカラスに占拠されているので、公園の目の前に建つマンションで優雅にベランダでお茶でもしようものなら、準備したお菓子などはカラスにもっていかれてしまいそうです。

また、周辺部にも大きくて魅力的な公園はたくさんありますが、南区や西区の方の公園では、クマの出没情報もありますので注意が必要です。

滝野すずらん公園では毎年クマの出没情報により閉園になることがありますし、付近のゴルフ場でもクマの目撃情報が過去にありました。

札幌一の高級住宅街である円山公園の隣にある北海道神宮のすぐ近くでも、過去にクマの目撃情報があり、全国ニュースにもなりました。

自然豊かな公園には、自然の脅威も同居している場合があるので、ネット情報を鵜呑みにするのではなく、クマやカラス・シカなどを検索キーワードにして調べた上で、どの公園の近くが良いかを決めることをおススメします。

「家賃が安すぎる」に騙されるな!

家賃が首都圏などに比べて安いか否かは、住む地域や住居の形態によっても異なります。

大都心部である札幌駅から徒歩圏内にファミリーで住める70~80㎡程度のマンションであれば、首都圏の主要駅付近に比べてかなりお安いです。

しかし、通勤時間30分程度まで離れると、首都圏に比べて、それほどのメリットは感じられなくなります。

そんな中一番気をつけなければならないのが、安いアパート系です。

マンションにはない「雪かき」が、安いアパートの場合は当番制で強制されるところもあるようです。

また、アパート大家さん経由でプロパンガス代を支払うようなケースでは、もともと高いプロパンガス代に加え、割高な代金を請求されているケースもあるようです。

分譲マンションの購入であれば、札幌都心部や人気のエリアが、かなり高騰してしまい札幌市民には手が出ない価格帯にあるため、札幌市民が郊外を探し始めた結果、郊外のマンションも高騰・割高になってきています。

あくまで、首都圏のマンションとの比較ですが、札幌のマンションに価格的効率性/メリットを求めるのなら、郊外よりも札幌駅周辺部のマンションの方が、高騰しているとは言え、割安感を感じられると思います。

「北海道の食材が何でも美味しい」に騙されるな!

北海道の海鮮が!ラーメンが!スープカレーが!野菜は何でもおいしい!をメリットとして語る方の感覚は、観光客の延長線上にいる方であろうと想定されます。

日本全国どこでも、観光アピールとして地産地消的な食材の紹介をし、美味しい!という観光客の声を集めた記事などをよく目にしますよね。

北海道が好き!と公言する人は、絶対に北海道の食べ物を褒めちぎりますが、例えば海の近く、伊豆や北陸の人たちも同様に海鮮はじめ料理が美味しい!と言いますし、旅行者の声でも多く語られています。

北海道のスーパーには、北海道の野菜も道外の野菜も両方並んでいます。

夏は北海道産が多く、冬には道外の野菜が多くなりますが、冬に道外の野菜しか買えないということに不満は感じないくらい、味に差がある訳ではありません。

また、札幌のラーメン屋が美味しいのではなく、札幌市にある「麺屋 彩未」のラーメンが美味しいのです。

札幌の評判のラーメン店には30店舗以上行きましたが、2/3は外れ感があり、1/3は美味しかったですね。

東京で評判のラーメン屋に行ったなら、美味しい確率は1/3よりは高いような気もしますが・・・

「街がきれい」に騙されるな!

札幌の街がきれいかは賛否両論ありますが、雪がきれいに積もっている時季の、特にホワイトイルミネーションの頃(11月下旬~3月中旬)はきれいですが、それ以外の時季は、汚いとは言いませんが、きれいと言い切れるほどの確証は持てません。

逆に、3月4月の雪解け時季は、交差点の水たまりやぐちゃぐちゃな歩道、滑り止め用の砂利が残った歩道などは、冬から春へ移行する段階として仕方のないことですが、早く終わってほしいな~という景観です。

「適度にゆるい社会でストレスがない」に騙されるな!

男性がおおらかで!というメリット論にも通じますが、“ゆるい”=“ぬるい”=”ルーズ”ということでもあるので、ストレスが無いのか?逆にストレスなのか?は、受け止める方の性格によります

また、男性は確かにゆるい人が多いのですが、逆に女性はゆるくない・直球勝負的な人もいて、ストレスどころか病んでしまいそうになるほどの冷たさ・図々しさを感じる方もいるので、逆にストレスが大きい社会と受け止められるケースもあります。

そのせいか、転勤から東京に戻ってきた人たちの反応を聞いていると、沖縄転勤帰りの方は沖縄のことを悪く言う人はいませんが、札幌の場合は賛否両論です。

その分、女性たちの仕事ぶりはしっかりしているので、スーパーなどでの接客対応ぶりは、男性より女性の方が好感が持てる確率が高いです。

上記のようなことから、札幌へ移住するなら、職場で仕事をしなくても良いリタイア後の移住の方が、ストレスが少なくて済みそうです。

「満員電車が無い、人身事故で止まることはない」に騙されるな!

「満員電車が無い」に関しては、首都圏の感覚からすればその通りで、通勤時間帯のさっぽろ~すすきの間が混雑するかな~程度です。

しかし「人身事故で止まることはない」については、確かに人身事故のケースは少ないかもしれませんが、別の要因での遅延や運休は、JR線でよく起こります。

国土交通省が毎年公表する「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」の「輸送障害(運休または30分以上遅延した事態)」データによれば、

・札幌市営地下鉄線や札幌市電については、首都圏の地下鉄・市電に比べて優秀です

・JR北海道線については、他JR線の3.6倍(対JR東日本)~6.9倍(対JR四国)もの確率で、遅延・運休などの障害が発生しています。

よって、止まることがないに関しては、単純に札幌では!でなく、札幌の地下鉄・市電は◎であり、逆にJR北海道は✖ということです。

「気軽に観光地に行ける」に騙されるな!

確かに、日帰りで行ける観光地は、観光地である札幌だけあって、多くあって気軽に行けます。

しかし、コロナ禍の2020年~は良いのですが、2019年度までの札幌周辺の観光地は、外国人観光客もたくさんいて、距離感的には気軽に行けましたが、混雑度やストレスなどもあって「気軽に行ける」と捉えられるかどうかは、人それぞれであったと思われます。

また、札幌の都心部では、大通公園や北海道庁付近・札幌駅付近などでもイベントが多く、毎日賑わっている感じがしていました。

しかし、2019年9月の胆振東部地震の直後の「オータムフェスト」では、外国人も日本人も北海道外からの観光客が減って、快適にフェストを楽しめることを喜んでいた札幌市民の様子がニュースでも取り上げられていました。

そもそも観光客がいなかったとしても、イベント事態を煩わしく感じている人たちもいるのも確かです。

よって「気軽に観光地に行ける」というメリット論は、その人の行動方・性格・年齢にもよるので、単純に誰でも喜ばしく思えることではないと理解しておく必要があります

「気候・空気がきれい」に騙されるな!

北海道の気候については、住む地域によっても大きく変わることは前段でお伝えしました。

例えば札幌であれば、夏は意外に暑く、冬は意外に寒くないので、気候は良いか悪いかは、どちらにも転びそうです。

気温以外では「北海道には梅雨が無い」というメリットがありますが、確かに降水量は少ないのですが、晴天率は梅雨の本州と変わらず。湿度も梅雨の本州と変わりません。

気候に関するメリットは、生活を実際に始めてみると、期待していたほどには感じられないかもしれません。

「空気がきれい」というメリット論も、根拠がイマイチ不明ですが、逆に街の空気がきれいでないという根拠はあります。

北海道の喫煙率は、厚生労働省の国民生活基礎調査によると、調査のあった2001年~2016年の6回全てで「喫煙率第1位」なのです。

街の飲食店では、完全禁煙のお店は少なく、分煙方式のカフェなどの禁煙エリアもけっこうたばこ臭かったりします。

オフィス内でも、喫煙ルームがよくあり、喫煙ルームから事務室に帰ってきた人が通ると、プ~ンとたばこの臭いがきつくて困りものです。

街を歩いていても、突然たばこ臭さが匂ってくることがあります。

空気が美味しそうな都道府県アンケートなどでは、北海道は1位になるのですが、選んだ理由には「広い土地で人口も密集していない」とか「人も車も少ないから」などがあげられますが、そうだとすると、札幌は人も車も多いので、空気が汚いということになりそうです。

47都道府県を対象とする「大気汚染の苦情件数(公害苦情件数)」というデータによると、47都道府県のうち、北海道は18位ということなので、特に良いとは言えない順位ですね。

根拠のない単なる感想に対しては、話半分以下で聞いておく必要がありそうです

「国内航空路線が充実」に騙されるな!

確かに、羽田-札幌間は航空路線別利用者数で全国1位です。

またコロナ前には、新千歳空港で28路線・丘珠空港で4路線もありましたから、かなり充実していたと言えます。

しかし、自宅から新千歳空港へはけっこう時間がかかるという不便さもあります。

JR線沿線にお住まいであれば一本で新千歳空港まで行けますが、地下鉄や市電の駅からですと、札幌駅か新札幌駅で乗り換えていくことになり、人気の西側のエリアからだと1時間以上はかかります。

直通バスも結構ありますが、南側エリアや高速道路が近い北側エリアからは所要時間が1時間以内という場合もありますが、1時間~1時間30分程度かかるエリアもありますので、出張の多い方は住居地選びには注意しましょう

また、年間を通じてJR線は遅延発生確率が高いので注意、バスも冬の大雪の時などは大きな遅延が発生しますので注意が必要です。

「都心なので便利・不便さを感じない」に騙されるな!

日常の買い物で特に困ったことはありません。

スーパーも意外と駅の近くにも多く、コンビニやドラッグストア・100円ショップも適度に揃っています。

デパートも、札幌駅と大通駅の近くに「大丸」「東急」「三越」「丸井今井」の4店舗が揃っています。

札幌駅には、ショッピングモールとして全国第2位の店舗数を誇る「JRタワー」もあります。

札幌に関して言えば、普通に買い物をする際には便利な都市です。

しかし、札幌でも普通のものは揃っていますが、超一流のものはあまり揃っていません

デパートも「大丸」「三越」はあっても「伊勢丹」や「高島屋」はなく、札幌市の人口の割には、デパートの数・店舗面積自体も少ないです。

また、ホテルは外資系の一流ホテルが一軒もありません。

札幌市の平均年収は、全国の主要都市の中で最下位であるため、ショッピングモールなどは揃っていても、デパートやホテルといった高額なものに関しては、利用者が少ないためでしょうか不足感が否めません。

更に、札幌以外の地方都市に行くと、店舗数は少なく、札幌のようにマイカーが無くても買い物が不自由なくできるような都市は限られています。

北海道では、札幌市こそ人口約195万人という全国第4位の大都市ですが、次に大きな都市は、旭川市33万人・函館市 25万人・苫小牧市 17万人・釧路市 17万人と、小ぶりな都市が多いので、札幌以外の地方都市の利便性は人口なりで高くはありません

「道路が広くて運転しやすい」に騙されるな!

確かに、道幅が広い道路が多く、自動車台数あたりの事故発生率も北海道は低いです。

平成30年の事故発生率(事故件数÷保有台数)は、全国平均が0.58%であるのに対し、北海道は0.29%と約半分しかありません(平成30年警察白書統計資料と自動車検査登録情報協会のデータを基に計算)。

しかし、Jタウン研究所という機関の「全国2万5000人に聞きました!運転マナーが悪いと思う都道府県」という調査では、北海道は全国で第6位でした。

ネット上の情報でも私の北海道旅行中当時からの経験からも、北海道の自動車はスピード出し過ぎで、煽り運転もよくあります

また、雪道の運転もけっこう危険が伴うなど、決して北海道での運転は「運転しやすい」と言えるような環境ではありません。

その他北海道移住の選択肢でやめとけ要素

北海道移住はまず最初だけは札幌地下鉄沿線以外はやめとけ!

北海道は、各地域によって気候がかなり異なります。

また、札幌市以外の人口もかなり少ない都市が多いので、利便性にも差があります。

そこで、北海道移住を希望される方で札幌以外を希望される方であっても、まずは札幌移住を選択し、北海道生活に慣れてから、他の地域へ転居されることをおススメします。

(できれば、ず~っと札幌に住み続けた方が後悔は少なくて済みます)

そして、札幌市の中でも、地下鉄沿線に住まれることをおススメします。

札幌市都心部への通勤などをされる方は特に地下鉄利用がおススメですが、その理由は、JR線やバスは遅延が多いからです。

JR北海道線は、冬も夏も関係なく、メンテナンス不足などでも遅延・運休が発生します(他JR線の3~6倍)。

札幌市電も悪くはないのですが、電車待ちする停車場が屋外で寒いですから、札幌の気候に慣れるまでは避けておいた方が無難です。

また、札幌市での公共交通機関利用者数は圧倒的に地下鉄が多いですから、当然、地下鉄の駅付近が栄えて利便性が高くなっています。

JR線であれば、新札幌駅・桑園駅・苗穂駅であれば買い物などの利便性は高い方ですが、札幌駅は周辺に普通のスーパーがないので不便です。

人気の円山公園・大通公園・中島公園付近に住むのはやめとけ!

理由は3点です。

①家賃が高いこと(その割にメリットは小さい)

②カラスが多いこと

③買い物の利便性ですが、これは3公園で意味合いが異なります。

・円山公園は、買い物の利便性は非常に良いので全く問題ありません。

・大通公園は、デパートもコンビニ・ドラッグストアなどがたくさんありますが、近くに食品スーパーがありません(以前はススキノのラフィラにイトーヨーカドーがありましたが、2020年5月からビルの再開発・建て替え工事に入ったため、閉店しました)

・中島公園の近くには、食品スーパーがなく(市電通りまで出れば1軒ありますが)、駅の北側(ススキノ側)にはコンビニが数軒ありますが、南側(幌平橋側)にはコンビニすら1軒あるだけで、他には買い物店がありません。

中島公園や円山公園の分譲マンション・プロモーションビデオには、緑豊か景観が素晴らしい!札幌の都心部にも近くて利便性が高い!といった、これぞ札幌に住む魅力が満載された物件です!的な映像がよくありますが、実際のところは、よく現地も見てから検討されることをおススメします。

地震が怖い人は釧路や札幌市東区はやめとけ

釧路市は、太平洋側にあり、将来的に大きな地震が来る確率が北海道で一番高い地域です。

札幌市は、滅多に震度4以上のような大きな地震は来ませんが、来た場合、住むエリアによって、かなり揺れ度合いが異なります。

2018年の北海道ブラックアウトを起こした「胆振東部地震」のときまで、平成の30年間で震度4以上の地震は、たったの1日しかありませんでした。

その2018年9月6日地震の本震の震度は、
【6弱】東区元町
【5強】北区太平、北区篠路、北区新琴似、白石区北郷、手稲区前田、清田区平岡
【5弱】豊平区月寒東、西区琴似、厚別区もみじ台
【4】中央区北2条、中央区南4条、南区川沿、南区石山
【3】南区定山渓温泉

その後何度か小さな余震もありましたが、9月14日の余震では、
【3】東区
【2】北区、豊平区、白石区、手稲区、厚別区、清田区
【1】西区、中央区、南区

と、中央区や南区に比べて、東区の揺れが一番大きかったことが分かります。

札幌市のホームページを見ても、やはり地震の際に被害を受けやすい地域は、東区や北区が多いです。

札幌の明るい未来に期待するのはやめとけ!

札幌市は、2030年度に北海道新幹線が札幌駅まで延伸開通するタイミングにあわせ、札幌駅を中心に大きく再開発事業が進行しています。

また、冬季オリンピックの誘致活動も、コロナ前には盛んに議論されていました。

どんどん発展していくイメージですが、正直言って、コロナのような影響も含めて、諸刃の刃だと思われます。

実際に、北海道新幹線は大赤字ですし、コロナ禍のようなときは、頼みの観光産業がボロボロです。

北海道にはいつも他力本願的なところがあるので、国の政策によっても、大きく左右されそうです。

最後に/北海道移住はやめとけ!騙されるな!について

ここまで、いろんなネット上の情報などについて否定をしてきましたが、この記事の主旨は、北海道移住を否定するものではありません。

逆に、札幌移住であれば、サイトのタイトルのように。おススメしたいくらいです。

しかし、美味しい話には裏があるように、ネット上の美味しい話(メリット!おすすめ!)を鵜呑みにしてしまうと、後で後悔することになります。

全てのことが快適で問題もない地域なんて、どこにもありませんね。

必ず、何かしらの問題点はありますから、そこは理解した上で、納得の上で移住してきてもらえれば、大した後悔はしないと思うのです。

その人によってメリットとなることが違う人にはデメリットであったりもしますし、選択の仕方を間違わなければ何の問題にもならないデメリット話もあります。

そんなところを理解し、できるだけ解決できる選択をした移住方法を取れば、北海道への移住は、より快適なものになると思います。

ま~美味しい話ほど気をつけましょうね!

という感じで、この記事をメモしておいてもらえると嬉しい限りです。

 

以上、北海道移住やめとけ!騙された!から得られる意外な事実《まとめ》でした。

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