札幌市電/路面電車の乗り方と料金(サピカ・suica支払い/一周/乗り放題等)のまとめ

札幌市電(路面電車)は、札幌の都心部である中央区をグルっと一周走っています。

札幌の公共交通機関の1日乗車人員は、凡そで地下鉄:60万人、バス:30万人、JR:20万人に対して、札幌市電は2.5万人程度ですから、それほど利用者が多い乗り物ではありません。

しかし、札幌では地下鉄の次に安心な乗り物であり、中央区は人気の居住エリアでもあり、藻岩山ロープウェイなどの観光にも利用する場面もあります。

そんな札幌市電(路面電車)について、乗り方・料金などを中心にまとめてみました。

札幌市電の乗り方❶所要時間・本数・乗り継ぎ可能駅

札幌市電の「電車本数」

電車本数は割と充実していてますし、停車場のモニターで次の電車が今どこにいるのかも確認できます。

始発~:6時台に2本

日中:1時間あたり8~11本 ※土日は0~3本程度少なくなる

~終電:23時台に2本

※時期によっては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、終電時刻の繰上げが実施されます。

札幌市電の「駅間所要時間」

駅間の所要時間は1分~4分と短く、半分以上が2分です。

1分:1区間  2分:16区間  3分:6区間  4分:1区間

札幌市電と地下鉄との「乗り継ぎ可能駅」

地下鉄南北線や東西線と並行している駅では、乗り継ぎが可能で、指定駅同士であれば、乗り継ぎ割引もあってお得です(乗り継ぎ指定駅と割引料金については後ほど)。

<市電>   <地下鉄>  (駅間所要時間)
西15丁目   西18丁目  7~10分程度
中央区役所前  西11丁目  3~ 6分程度
西4丁目      大通           3~ 6分程度
すすきの      すすきの    3~ 6分程度
山鼻9条      中島公園    6~ 9分程度
静修学園前   幌平橋    7~12分

※市電の「西4丁目」と「すすきの」の間にある」狸小路」からは、地下鉄の「大通」「すすきの」「豊水すすきの」いずれの駅でも乗り換えが可能です。

札幌市電の乗り方❷:一周ループで便利

札幌市電の「路線」

全24駅が一周ループ化していますが、大通付近から~狸小路~すすきの~中島公園付近~山鼻付近~ロープウェイ入口~伏見付近~札幌医大付近~中央区役所前など、札幌市の中心部を走り、また大通付近まで戻って来ますが、一周で約50分程度です

JRとの乗り換えは、隣接する駅がないため少し不便です

大通~さっぽろ間を地下鉄1区間乗るか、10~15分程度歩く必要があります。

地下鉄・大通駅へは、市電・西4丁目駅で降り徒歩3~6分程度で乗り換えられます(乗り継ぎ割引料金適用で地下鉄利用分は実質130円)。

ループ化で利用者急増

元々は、西4丁目(大通付近)~すすきの間は繋がっていないC型の路線でしたが、2015年12月にこの区間が繋がることでループ化しました。

この繋がっていなかった西4丁目(大通付近)とすすきの、その中間の狸小路は人出の多いエリアでもあるので、繋がった効果は絶大で、ループ化する以前と以後では、1日あたりの乗車人員は約2,000人差(増)、全乗車人員の1割にも近い乗車増加効果でした。

日本で初のサイドリザベーション方式

その新たに開通した西4丁目~すすきの間の「狸小路」には、日本で初のサイドリザベーション方式を採用しています。

普通は、道路の中央にレールが敷かれ、停車場は道路の真ん中にあるので、歩道から停車場へ行くのに、車道(信号)を渡っていく必要がありました。

ところが狸小路では、電車を降りてそのまま歩道に行けるので便利で安全です。

札幌市電の乗り方❸:冬の乗り方

ササラ電車(除雪車)は札幌冬の風物詩

北海道札幌市の札幌市電(路面電車)の除雪車であるササラ電車の写真

まずは、冬の札幌市電の乗り方を大きく左右する「ササラ電車」の説明から入ります。

「ササラ」とは竹製のブラシのことで、竹ブラシのように竹を細く裂いた円筒形の束のことです。

この竹製ブラシを電車の前後にたくさん取りつけ、車輪と逆回転させながら、雪を跳ね飛ばしていく、ササラで雪を掃きながら走る除雪車が、ササラ電車です。

路面電車のレールに積もった雪をそのままにしておくと、圧雪状態になりレールを埋めてしまい、路面電車が走れなくなります。

そのため、新雪の状態のうちに、このササラ電車が出動し、除雪活動を行っていきます。

冬期は、毎朝4時に雪が降っていなくても、点検を兼ねて必ず全レールを往復運行します。

日中や夜間は、雪が降り始めてくると即出動です。

冬の市電の一日は、ササラ電車で始まる!ササラ電車は、札幌の冬の風物詩ともなっています。

ちなみに、2015年12月に延伸された西4丁目~すすきの間は、レールが歩道側にあるため、ササラ電車が雪を飛ばすと歩道にまで飛んでしまうことから、ササラ電車による除雪ができません。

よって、この区間はロードヒーティングになっています。

札幌市電は冬でも運休なし・遅延少なく安心な乗り物

冬の雪が多く降る時期でも、基本的には、多少の遅延こそあれ、運休になることは少ないです

前出のササラ電車のおかげですが、遅延も運休も多いJRや遅延が当たり前のバスに比べ、冬の札幌交通においては、地下鉄の次に信頼度のある交通機関となっています。

雪が多く降ると、路肩に除雪した雪がたまり、道幅が狭くなります。

いつもが2車線なら1.5車線くらいになってしまい、車やバスが渋滞に巻き込まれていきます。

しかし路面電車は、車が侵入してくることもありますが、そんなにある訳ではないので、渋滞になりにくいのです。

但し、そもそもの走行スピードが遅いので、必ず路面電車の方が早く移動できるということではありません。

あくまでも、予定通りに移動できるということで、安心安全な乗り物です。

札幌市電の冬は満員で乗り切れないことに注意

雪の降る停車場で待っていると、札幌市電は時刻通りに来てくれます。

しかし、来た電車に乗り切れずに、もう1本待たなければいけないことがあります。

通勤通学時間帯にときどき起きるので、吹雪の時は待つのが辛いので注意しましょう。

札幌市電の料金

札幌市電は一周乗っても一律料金

札幌市電の料金は、どこからどこまで乗っても一律「200円」です。

中学生以上「大人」:200円

小学生以下「こども」:100円

幼児は、保護者1名につき4人まで無料になります(保護者は、小学生も保護者となりえます)。

札幌市電と地下鉄との乗り継ぎ割引料金

札幌市営地下鉄と札幌市電(路面電車)を指定駅で乗り継ぐと、両普通運賃の合計額より80円割引でお得です

乗り継ぎ指定駅は、
<市電>        <地下鉄>
西15丁目              ←→西18丁目
中央区役所前          ←→西11丁目
西4丁目他2駅※   ←→大通他2駅※
山鼻9条                 ←→中島公園
静修学園前             ←→幌平橋

※「市電の西4丁目・狸小路・すすきの」と「地下鉄の大通・すすきの・豊水すすきの」は、いずれの駅でも乗り換えが可能です。

他都市では、乗り継ぎ割引があっても20~30円程度、札幌市電の料金は他都市よりちょっとお高めですが、乗り継ぎ割引料金になると逆転します。

※乗り継ぎ方について詳しくは「札幌地下鉄とバス・市電の乗り継ぎ方法」をご覧ください。

札幌市電乗り放題料金:週末は「 どサンこパス」

札幌市電の料金制度には、週末とてもお得な「どサンこパス」という1日乗り放題券があります。

「どサンこパス」の「ど」は土曜日の「ど」、「サン」は日曜日・サンデーの「サン」、「こ」はこどもも1人OKの「こ」の意味です。

土曜日・日曜日・祝日(年末年始は12月29日~1月3日)に利用可能な札幌市電(路面電車)専用1日乗車券で料金370です

どサンこパス1枚で大人1人とこども1人が1日乗り放題です。

市電(路面電車)車内や大通駅定期券発売所で購入が可能(発売当日のみ有効で、前売りはない)です。

往復で乗るだけで普通運賃200円×2回=400円になるので、単純往復に利用するだけでも30円お得です

更に、子どもと一緒ならこども運賃分もかからないので、かなりのお得感になります。

観光旅行や出張で来た場合でも、例えば、大通公園付近宿泊で三大夜景の藻岩山ロープウェイに行くだけ(西4丁目→ロープウェイ入口→西4丁目)の場合でも良いし、その後にすすきのや狸小路で、飲食して帰ってくれば更にお得になります。

札幌市電乗り放題料金:平日は「路面電車1日乗車券」

発売金額 大人500円・こども250円

こちらは「モバイル版路面電車1日乗車券」もあり、ジョルダン株式会社が提供するアプリ「乗換案内」で利用できます。

※地下鉄版については「札幌地下鉄の料金(運賃/子供/一日券/定期/値上げ)路線図・乗り心地など特色」をご覧ください。

札幌市電の定期料金

札幌市電だけの定期料金表ですが、地下鉄同様に6カ月定期が無いのが残念です。

種類 期間 全区間
通勤 1カ月 8,190円
3カ月 23,330円
通学(大人) 1カ月 5,870円
3カ月 16,720円
通学(こども) 1カ月 3,670円
3カ月 10,450円

※地下鉄やバスとの乗り継ぎ用定期券も別にあります。

札幌市電は貸切もお手軽料金で!

札幌市電は、1周・約1時間20分を18,340円(「ポラリス」は22,000円)で貸し切りすることができます。

利用は最大60人(「ポラリス」は71人)まで、座席は30席(「シリウス」は24席、「ポラリス」は27席)、テーブルやカラオケセット・クーラーボックスなども用意してもらえ、途中トイレ休憩もあるので、宴会などの利用も可能です。

※2021年3月現在は、新型コロナウイルス感染症対策のため、貸切電車内での飲食は中止で、利用人数も15名以下と制限されています。

札幌市電の乗り方❹料金の支払い方法

札幌市電は後払い

バスと同様に、電車の中央部分から乗り、前方部分から降りますが、料金は降りる時におとな200円・こども100円を支払います。

現金払い又は交通系ICカードで支払いができます。

SAPICAは車内でチャージすることも可能ですが、千円札以外は基本対応不可なので、注意が必要です。

札幌市営地下鉄との乗り継ぎの場合

乗り継ぎ割引を適用したい場合には、次の段取りが必要です。

・現金の場合、運転手さんに乗り継ぎである旨を伝えた上で乗り継ぎ割引適用の料金330円を支払い、乗継券(地下鉄210円区間利用を含む)を貰います。

・ICカードの場合は、読み取り機にかざすだけで、自動的に乗り継ぎ割引が適用になります。

札幌近郊で使える交通系ICカードとしてSAPICA(サピカ)Kitaca(キタカ)があります。

どちらが便利でお得か?簡単に整理してみました。

SAPICA

利用範囲:札幌市営地下鉄・札幌市電・札幌市内バス路線(一部札幌市郊外も含む)+特定店舗

特典:地下鉄・市電・バスをSAPICAで支払うと、運賃の10%がポイント化されます。

このポイント化された相当額が、地下鉄や市電の料金を上回ると料金支払いに適用されます。

Kitaca

利用範囲:JR北海道のICが使える55駅+特定店舗

相互利用可能:SAPICAエリア・東京・東海地方・関西・九州などでも利用が可能です

交通利用重視ならKitaca、特典重視&札幌周辺のみ利用ならSAPICAが良いですね

両方を持っても良いのですが、SAPICAと Kitaca両カードを同じパスケースどに入れたまま、地下鉄・市電・バスのICカード読取機に通すと、エラーが発生し、駅係員に操作をしてもらう必要が発生するので、注意が必要です。

Suicaなどの交通系ICカード

札幌市電では、SAPICA・Kitaca以外にSuicaやSuicaと相互利用しているICカード(モバイルSuicaを含む。)も利用可能です。

※Suicaと相互利用しているICカード(カッコ内は、ICカードの発行会社です。)
「Kitaca」(北海道旅客鉄道株式会社)、「PASMO」(株式会社パスモ)、「manaca(マナカ)」(株式会社名古屋交通開発機構及び株式会社エムアイシー)、「TOICA」(東海旅客鉄道株式会社)、「PiTaPa」(株式会社スルッとKANSAI)、「ICOCA」(西日本旅客鉄道株式会社)、「はやかけん」(福岡市交通局)、「nimoca」(株式会社ニモカ)、「SUGOCA」(九州旅客鉄道株式会社)

最後に/札幌市電・路面電車の乗り方について

昔は昭和2年に札幌市営交通が発足して以降、札幌市中心部の交通のメインに位置付けられてきましたが、札幌市営地下鉄線の開業などに押されて、一時期は全面廃止も検討されるほどでした。

以前は複数路線がありましたが、現在では1路線だけの運行となっています(但し、路線を増やす検討も札幌市でされています)。

現状は、走行範囲が中央区に限られていますが、大通・狸小路・すすきの・中島公園など需要の多いエリアを通っていること、札幌冬交通の不安材料である雪による運休や遅延が、JRやバスに比べ少ないことなど、都心部(中央区)においては一定程度は活躍していると言えます。

特に、2015年12月に西4丁目(大通付近)とすすきの間を結びループ化したことで、乗車人員が1日あたり2,000人程度増えました。

しかし、2017年4月に値上げ(例:おとな普通料金170円→200円)したことで、乗車人員がまた減少傾向にあります。

それでも収支は良化しましたが、赤字運営のままです。

 

札幌で一番安心な乗り物は地下鉄であり、広範囲なのはJRやバスなので、札幌市電(路面電車)は中途半端な位置にあるのかもしれません。

ただ、札幌の中心地を走っており、また地下鉄の駅付近より地価が安いので、大通付近に勤務の場合で、出来る限り会社の近くで家賃も抑えたいという方には、おススメできる通勤路線です。

バス・JR通勤よりは、おすすめです。

また、北海道移住系のブログに、よく札幌市内の移動手段の面倒さを指摘する声がありますが、地下鉄または市電の沿線であれば、あまり面倒に感じません

首都圏や関西圏よりもシンプル且つコンパクトである分、札幌市内の交通は利用勝手が良いと思います。

 

以上、札幌市電/路面電車の乗り方と料金(サピカ・suica支払い/一周/乗り放題等)でした。

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