【6月上旬】北海道20都市の気候案内(最高最低気温/雨量/日照率/風速)

6月上旬の北海道20都市の気候を、各都市の違いが分かるようデータ一覧と説明・解説をまとめてみました。

広い北海道の中の各都市によって、どれだけの気候の違いがあるのか?

北海道は、同じ時期でも年によって気候の差が大きく現れますが、平均的な年と異常気象となる年との差は一体どれくらいあるのか?

地域間格差と年によってどこまで異常になるか?も各項目ごとにデータ化しています。

●20都市とは、札幌・稚内・留萌・名寄・旭川・紋別・網走・北見・岩見沢・小樽・帯広・釧路・根室・倶知安・室蘭・苫小牧・浦河・江差・函館・千歳です。

●気温は、最高気温・最低気温それぞれの30年間平均と、最高気温で最も高かった年の気温・最低気温で最も低かった年の気温を、また、最高気温が30℃以上となる「真夏日」と最低気温が25℃以上となる「熱帯夜」の日数などまで揃えました。

●日照率は、30年間平均と、1日のうち40%以上となった日が何日あるかも、またそれぞれが一番低かった年はどれくらいになるのか?も計算しています。

●風速は、30年間平均と、風速10メートル以上と強風となった日が何日あるかも揃えています。

●雨量は、単に降水量だけを北海道内各都市で比較してもあまり意味が無いので、北海道外の仙台・東京・大阪・福岡・那覇とも比較しており、また日照時間も対比できるよう併記しました。

※各気象データは、気象庁ホームページのデータ30年間分を参照し、独自に30年平均や最も高い・低い・多い・少ないなどを集計しております。
※30年間データとは、西暦1989年~2018年(平成1年~30年)のデータです。
※データ表の中で「×」の欄(名寄・北見・千歳の日照率)は、気象庁にデータが無い項目となります。
※千歳の気温・風速は2003年以降、降雪・積雪は2006年以降のデータとなります。

気温

日の最高気温・最低気温の30年平均

日の最高気温と日の最低気温のそれぞれ30年間平均と、日の最高気温の旬(10日間)平均が最も高った年の気温、また日の最低気温の旬(10日間)平均が最も低かった年の気温です。

例えば「札幌」では、最高気温が30年平均では20.5℃ですが、25.6℃平均という暑い年もあったということです。また、最低気温は30年平均で11.8℃で、低い年でも8.8℃平均までしか下がらないことが分かります。

最高気温(℃)旬平均 最低気温(℃)旬平均
30年平均 高い年 30年平均 低い年
札幌 20.5 25.6 11.8 8.8
稚内 14.9 18.9 9.0 6.0
留萌 17.9 24.5 10.5 7.8
名寄 20.6 28.4 7.9 3.6
旭川 21.5 28.9 10.0 6.5
紋別 15.6 21.5 8.3 5.0
網走 16.6 23.4 8.7 5.9
北見 20.2 27.3 8.8 4.5
岩見沢 20.4 26.4 10.2 7.3
小樽 19.4 25.3 10.8 8.2
帯広 20.2 24.4 9.0 5.6
釧路 14.3 17.0 7.9 5.4
根室 13.7 17.0 6.7 4.5
倶知安 19.7 25.0 9.4 6.4
室蘭 16.7 20.8 10.3 7.9
苫小牧 15.8 18.7 9.7 7.3
浦河 15.6 19.3 9.1 6.2
江差 18.6 22.8 11.9 10.0
函館 19.2 22.1 11.0 8.9
千歳 18.9 22.7 9.5 7.3

日中は20℃まで上昇しても、夜には10℃近くまで低下する寒暖差が大きい時季で、20地域平均では8.5℃差ですが、気温差が大きい地域と小さい地域とでは2倍もの差があります。

特に1日の気温差が大きい地域と小さい地域を5地域ずつ温度差(30年平均の最高気温と最低気温の差)とともに列記します。

大きい❶名寄12.7℃差 ❷旭川11.5℃差 ❸北見11.4℃差 ❹帯広11.1℃差 ❺倶知安10.3℃差

小さい①稚内5.9℃差 ②苫小牧6.0℃差 ③室蘭6.4℃差 ④釧路6.4℃差 ⑤浦河6.5℃差

最高気温・最高気温が30℃以上の日数

各年の6月上旬(10日間)の中で、日の最高気温が最も高かった年の最高気温と最も低かった年の最高気温、また、その最高気温が30℃以上の「真夏日」と呼ばれる日が、10日間の中で何日あったか、またその日数が一番多かった(暑い日が多かった)年の真夏日の日数となります。

例えば「札幌」では、33.7℃まで上がった年もあれば21.0℃までしか上がらなかった年もあるということです。また、30℃以上の真夏日は、30年平均では0.1日ですから10年に1回のペースということになりますが、多い年では2日という年もあったということが分かります。

最高気温(℃) 30℃以上日数
最高の年 最低の年 30年平均 多い年
札幌 33.7 21.0 0.1 2
稚内 25.6 13.5 0.0 0
留萌 32.0 19.8 0.0 1
名寄 35.4 21.1 0.2 4
旭川 35.9 22.6 0.3 4
紋別 31.5 16.1 0.0 1
網走 30.8 15.5 0.1 1
北見 37.2 19.6 0.3 4
岩見沢 33.6 19.3 0.1 2
小樽 30.7 18.7 0.0 1
帯広 34.8 18.2 0.3 2
釧路 24.4 13.7 0.0 0
根室 25.3 11.2 0.0 0
倶知安 32.5 19.5 0.1 2
室蘭 25.7 15.4 0.0 0
苫小牧 27.0 16.7 0.0 0
浦河 24.9 14.6 0.0 0
江差 30.5 19.0 0.0 1
函館 27.4 17.6 0.0 0
千歳 27.9 18.4 0.0 0

1日の寒暖差も大きいのですが、日により年により最高気温の上がり方にも大きな差が出る不安定な時季でもあります。

最高の年と最低の年の最高気温の差は、20地域を平均すると12.8℃差ですが、特に不安定な地域では、年によって15℃以上の差が出ることもあります。最高の年と最低の年の気温差が大きい地域と小さい地域をそれぞれ5地域ずつ列記します。

❶北見17.6℃差 ❷帯広16.6℃差 ❸紋別15.4℃差 ❹網走15.3℃差 ❺岩見沢14.3℃差

①千歳9.5℃差 ②函館9.8℃差 ③室蘭10.3℃差 ④浦河10.3℃差 ⑤苫小牧10.3℃差

最低気温・最低気温が25℃以上の日数

各年の6月上旬(10日間)の中で、日の最低気温が最も高かった年の最低気温と最も低かった年の最低気温、また、その最低気温が25℃以上の「熱帯夜」と呼ばれる日が、10日間の中で何日あったか、またその日数が一番多かった年の熱帯夜の日数となります。

例えば「札幌」では、13.7℃までしか下がらなかった年もあれば、5.5℃まで下がった年もあるということです。また、熱帯夜については、過去30年間で1回もなかったことが分かります。

最低気温(℃) 25℃以上日数
最高の年 最低の年 30年平均 多い年
札幌 13.7 5.5 0 0
稚内 9.4 3.4 0 0
留萌 10.6 1.9 0 0
名寄 8.5 -1.0 0 0
旭川 9.1 2.3 0 0
紋別 9.6 0.5 0 0
網走 9.4 2.0 0 0
北見 9.0 -0.4 0 0
岩見沢 10.1 3.4 0 0
小樽 12.1 4.9 0 0
帯広 8.8 1.8 0 0
釧路 8.6 1.0 0 0
根室 7.7 2.6 0 0
倶知安 9.8 1.6 0 0
室蘭 10.4 5.9 0 0
苫小牧 10.3 3.6 0 0
浦河 8.9 2.6 0 0
江差 11.6 6.9 0 0
函館 12.1 4.6 0 0
千歳 9.1 2.7 0 0

1日の寒暖差も、年によっての最高気温の上がり方も、気温差が大きいとても不安定な時季ですが、最低気温に関しては、冬に比べれば少し落ち着いた気温差となります。

2月上旬の年による最低気温の差は、20地域平均で10.6℃でしたが、6月上旬では7.2℃まで縮まります。

こちらも、地域による差が大きいので、差が大きい地域と小さい地域を5つずつ列記します。

❶名寄9.5℃差 ❷北見9.4℃差 ❸紋別9.1℃差 ❹留萌8.7℃差 ❺倶知安8.2℃差

ちなみに、「名寄」の2月上旬での年差は最大で16.4℃もあります。

①室蘭4.5℃差 ②江差4.7℃差 ③根室5.1℃差 ④稚内6.0℃差 ⑤浦河6.3℃差

冬よりは最低気温の低下ぶりが激しくないとは言っても、名寄・北見・紋別では0℃前後に下がることがあるので、日中は真夏で夜は真冬なんてことも十分にありえるので、注意が必要です。

降水量&日照時間

降水量と日照時間のそれぞれ6月上旬(10日間)合計数値の30年間平均と、降水量は最も多かった年の量、日照時間は最も多かった年の時間です。

例えば「札幌」の降水量は30年平均では17mmですが、多い年には4倍の68mmも降ったことがあり、日照時間の30年平均は62時間ですが、少ない年には29時間しかなかった年もあったということが分かります。

また、こちらの降水量&日照時間と、次の日照率のデータについては、本州以南との比較もできるよう、仙台・東京・大阪・福岡・那覇のデータも併記するようにしました。

降水量(mm) 日照時間(時間)
30年平均 多い年 30年平均 少ない年
札幌 17 68 62 29
稚内 21 60 53 7
留萌 20 94 61 24
名寄 21 48 52 11
旭川 25 66 61 24
紋別 20 90 54 13
網走 21 72 59 11
北見 20 73 54 8
岩見沢 23 108 61 18
小樽 16 66 60 25
帯広 29 167 54 13
釧路 36 141 45 14
根室 31 136 50 18
倶知安 18 94 59 21
室蘭 35 113 54 7
苫小牧 36 149 41 3
浦河 33 122 52 22
江差 23 84 59 16
函館 24 133 63 13
千歳 25 97 × ×
仙台 33 110 58 22
東京 41 216 54 20
大阪 35 104 61 30
福岡 39 208 59 24
那覇 98 369 42 7

この時季は、降水量も日照時間も、北海道と本州以南での差は、30年平均ではそれほど大きくはありません(6月下旬以降大きくなります)が、多い年で見比べてみると、北海道は大雨の危険性が本州以南より小さかったことが分かります。

また、北海道内20地域における地域差も、この時季はそれほど大きくはありませんが、苫小牧・室蘭・浦河・釧路・根室などの太平洋側に、降水量が多く日照時間が少なくなる傾向があります。

日照率

日照率とは、日の出から日の入りまでの時間に対する日照時間の割合のことです。北海道の夏は、日の出が早く日の入が遅いため、日中だけの晴天性を本州以南と比較する上では日照時間だけでは正確性に書くため、日照率も用いています。

例えば「札幌」では、日照率の30年平均が41%ですが、日照の少ない年は19%しかありません。また、1日に40%以上の日照率がある日は、30年間平均では10日のうち5日ですが、少ない年は2日しかない年もあるということが分かります。

また、降水量&日照時間と同様に、本州以南との比較もできるよう、仙台・東京・大阪・福岡・那覇のデータも併記するようにしました。

日照率(%) 40%以上日数
30年平均 低い年 30年平均 少ない年
札幌 41 19 5.0 2
稚内 34 5 4.2 0.0
留萌 40 16 4.8 1.0
名寄 × × × ×
旭川 40 15 4.7 1.0
紋別 35 9 4.2 1.0
網走 39 7 4.7 1.0
北見 × × × ×
岩見沢 40 12 4.8 1.0
小樽 39 17 4.9 1.0
帯広 36 9 4.6 1.0
釧路 29 9 3.4 0.0
根室 33 12 4.2 1.0
倶知安 39 14 5.0 1.0
室蘭 36 4 4.5 0.0
苫小牧 27 2 3.2 0.0
浦河 34 15 4.3 2.0
江差 39 10 4.5 0.0
函館 42 8 5.2 0.0
千歳 × × × ×
仙台 40 15 5.0 0
東京 37 14 4.9 1
大阪 42 21 5.2 2
福岡 42 17 5.1 1
那覇 31 5 3.7 0

日照率も、日照時間データと同様で、6月上旬では北海道と本州以南では大きな差が見られません。また、北海道内の各地においても、大きな差はありませんが、太平洋側の地域では日照率が低い傾向にあります(冬とは真逆の傾向)。

風速

平均風速(m/s) 10m/s以上日数
30年平均 高い年 30年平均 多い年
札幌 3.4 5.5 1.3 5
稚内 4.2 6.8 2.1 6
留萌 3.8 4.9 1.3 4
名寄 2.0 2.7 0.1 2
旭川 2.4 4.1 0.2 2
紋別 2.5 3.7 0.2 3
網走 2.7 3.7 0.3 2
北見 2.0 3.2 0.1 1
岩見沢 3.4 4.8 0.7 4
小樽 2.1 3.0 0.2 2
帯広 1.9 3.2 0.1 1
釧路 3.9 5.9 1.6 5
根室 4.6 6.2 2.1 7
倶知安 3.3 4.3 1.1 4
室蘭 3.8 5.1 0.6 3
苫小牧 2.7 3.5 0.4 2
浦河 3.4 4.6 1.3 4
江差 2.6 3.6 0.8 3
函館 3.2 5.0 0.7 4
千歳 4.7 5.7 2.3 5

大よそとしては、沿岸部で強く、内陸部で弱いという傾向はありますが、江差や小樽のように、沿岸部でも風が弱い地域もあります。

湿度

相対湿度(%)
30年平均 高い年 低い年
札幌 70 82 56
稚内 83 91 69
留萌 81 88 70
名寄 × × ×
旭川 71 80 60
紋別 81 90 64
網走 78 89 64
北見 × × ×
岩見沢 76 86 63
小樽 76 83 63
帯広 78 90 63
釧路 86 92 76
根室 88 95 78
倶知安 77 86 64
室蘭 87 96 72
苫小牧 86 93 76
浦河 88 95 80
江差 79 86 71
函館 78 85 66
千歳 × × ×

やはり、浦河・根室・室蘭・苫小牧・釧路などの太平洋側は、湿度が高い傾向にあります。

まとめ

6月上旬の北海道は、日中の最高気温が20℃を超える地域も増え、暖かく良い時季と言えるのですが、年によっては異常な高気温を記録してしまうこともある不安定な時季でもあります。

札幌の最高気温は、4月上旬 9.2℃⇒4月中旬 11.6℃⇒4月下旬 14.4℃⇒5月上旬15.9℃⇒5月中旬17.7℃⇒5月下旬 19.9℃⇒6月上旬20.5℃と順調に暖かさを増してきています。

同時季の本州以南では、平均最高気温が東京25.2℃・大阪27.1℃・福岡 26.2℃・那覇 28.5℃ですから、30℃を超える日がいつ発生してもおかしくない時季ですが、その本州以南よりも北海道の東側地域の方が気温が高くなることもあります。

そんな北海道の6月上旬の気候について、気温・降水量・日照時間(率)・風速・湿度などを20地域分集約し、まとめてみましたがいかがでしたでしょうか?

 

1年間の中で、北海道と東京の気温が逆転する日が一番多いのも6月です。

それだけ、北海道と本州の気温が平均的にも近づく時季であるということでもありますが、北海道の東側を中心に気温上昇の仕方が不安定な時季でもあるからです。

2018年の6月4日5日の2日間、北海道の数地域が日本一暑い地域にもなりましたし、2019年の5月26日には、その日の日本一暑い地域というだけではなく、5月の日本全国の最高気温を更新するという暑さが発生しました。

そんな暑い日もあれば、YOSAKOIソーラン祭りの夜は、演舞者は暑いが観覧者は寒くてたいへん!という時もけっこうあります。

この時季は、1日の寒暖差も、日により年により最高気温が10℃以上ズレることが多い不安定で、ちょっと過ごしにくい時季でもあるのです。

6月中旬以降の梅雨シーズンには、本州に比べて快適さがひと際目立つ北海道ですが、梅雨入り前の6月上旬は、逆に本州の方が快適なシーズンかもしれません。

同じ6月でも、上旬と下旬(本州はほぼ確実に梅雨入りの頃)では明らかに北海道の気候的優位性は大きく異なります。

 

以上で『【6月上旬】北海道20都市の気候案内(最高最低気温/雨量/日照率/風速)』について終わります。

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