【4月下旬】北海道20都市の気候案内(最高最低気温/降雪積雪/日照率/風速)

4月下旬の北海道20都市の気候を、各都市の違いが分かるようデータ一覧と説明・解説をまとめてみました。

広い北海道の中の各都市によって、どれだけの気候の違いがあるのか?

北海道は、同じ時期でも年によって気候の差が大きく現れますが、平均的な年と異常気象となる年との差は一体どれくらいあるのか?

地域間格差と年によってどこまで異常になるか?も各項目ごとにデータ化しています。

●20都市とは、札幌・稚内・留萌・名寄・旭川・紋別・網走・北見・岩見沢・小樽・帯広・釧路・根室・倶知安・室蘭・苫小牧・浦河・江差・函館・千歳です。

●気温は、最高気温・最低気温それぞれの30年間平均と、最高気温で最も高かった年の気温・最低気温で最も低かった年の気温を、また、最高気温が0℃未満となる「真冬日」の日数などまで揃えました。

●日照率は、30年間平均と、1日のうち40%以上となった日が何日あるかも、またそれぞれが一番低かった年はどれくらいになるのか?も計算しています。

●風速は、30年間平均と、風速10メートル以上と強風となった日が何日あるかも揃えています。

●降雪量と積雪量は、それぞれ30年間平均と、一番多かった年・一番少なかった年がどれくらいの量であったかも一覧にしています。

※各気象データは、気象庁ホームページのデータ30年間分を参照し、独自に30年平均や最も高い・低い・多い・少ないなどを集計しております。
※30年間データとは、西暦1990年~2019年(平成2年~31年)のデータです。
※データ表の中で「×」の欄(名寄・北見・千歳の日照率)は、気象庁にデータが無い項目となります。
※千歳の気温・風速は2003年以降、降雪・積雪は2006年以降のデータとなります。

気温

日の最高気温・最低気温の30年平均

日の最高気温と日の最低気温のそれぞれ30年間平均と、日の最高気温の旬(10日間)平均が最も高った年の気温、また日の最低気温の旬(10日間)平均が最も低かった年の気温です。

例えば「札幌」では、最高気温の30年平均は14.4℃ですが、最も暖かかった年は19.3℃でした。

また、最低気温は30年平均では5.4℃ですが、最も寒かった年は3.3℃平均ですから、氷点下に近い寒い時間帯もまだまだあり得る時季であるということが分かります。

最高気温(℃)旬平均 最低気温(℃)旬平均
30年平均 高い年 30年平均 低い年
札幌 14.4 19.3 5.4 3.3
稚内 9.5 14.3 3.4 1.3
留萌 11.9 15.2 3.3 0.6
名寄 12.4 17.5 0.4 -1.6
旭川 14.4 19.9 2.3 -0.3
紋別 11.5 17.8 2.5 0.2
網走 11.7 18.1 2.3 0.0
北見 14.0 20.9 1.5 -1.4
岩見沢 14.1 18.9 3.2 0.9
小樽 13.8 17.5 4.4 2.7
帯広 15.0 21.5 2.5 0.1
釧路 9.9 12.8 2.1 0.0
根室 9.5 14.9 1.9 -0.1
倶知安 12.7 17.8 2.1 -0.4
室蘭 12.0 16.1 4.6 3.1
苫小牧 11.2 14.8 3.0 0.5
浦河 10.7 13.3 3.3 1.0
江差 12.9 16.4 5.8 3.6
函館 14.1 17.3 4.7 2.2
千歳 13.1 17.6 2.1 0.4

最高気温も最低気温も30年平均の地域間較差は5℃程度までに収まっています。

最低気温の30年平均と最も低かった年の差は、どの地域でも2~3℃程度ですから、年による差も小さめです。

しかし、最高気温の30年平均と最も高かった年の差においては、2.6℃しかない地域(浦河)もあれば6.9℃もある地域(北見)もあるので、地域によっては高気温の方へ異常気象が発生しやすい不安定な時季と言えます。

最高気温・最高気温が0℃未満の日数

最高気温について、この項目ではもう少し詳しく見ていきます。

各年の4月下旬(10日間)の中で、日の最高気温が最も高かった年の最高気温と最も低かった年の最高気温、また、その最高気温が0℃未満の「真冬日」と呼ばれる日が、10日間の中で何日あったのか、またその日数が一番多かった(寒い日が多かった)年の真冬日の日数を一覧表にしました。

例えば「札幌」では、最高気温が28℃まで上がった年もあれば13℃までしか上がらなかった年もあったということが分かります。

最高気温(℃) 0℃未満日数
最高の年 最低の年 30年平均 多い年
札幌 28.0 13.0 0.0 0
稚内 20.2 9.8 0.0 0
留萌 24.6 12.1 0.0 0
名寄 26.4 12.5 0.0 0
旭川 29.6 14.7 0.0 0
紋別 30.8 10.9 0.0 0
網走 31.9 12.9 0.0 1
北見 32.2 14.8 0.0 0
岩見沢 24.7 13.3 0.0 0
小樽 27.6 15.1 0.0 0
帯広 31.7 14.9 0.0 0
釧路 19.7 8.6 0.0 0
根室 23.3 11.1 0.0 0
倶知安 23.8 11.0 0.0 0
室蘭 23.1 12.1 0.0 0
苫小牧 21.8 12.4 0.0 0
浦河 19.7 10.5 0.0 0
江差 23.7 13.0 0.0 0
函館 23.0 13.9 0.0 0
千歳 23.7 13.3 0.0 0

最高気温の高い年と低い年について、1月から4月まで推移を20地域平均の数値で一覧にしてみましたが、4月に一気に気温上昇する可能性が高くなることが分かります。

20地域平均 最高の年 最低の年
1月下旬 7.7 -1.9 9.6
2月下旬 10.2 -1.1 11.3
3月下旬 15.8 6.5 9.3
4月下旬 25.5 12.5 13.0

真冬日の日数については、4月下旬ともなれば不要なデータではありますが、30年のうち1日だけ、網走で真冬日が発生していたことが分かります。

最低気温・最低気温が0℃未満の日数

各年の4月下旬(10日間)の中で、日の最低気温が最も高かった年の最低気温と最も低かった年の最低気温、また、その最低気温が0℃未満の「冬日」と呼ばれる日が、10日間の中で何日あったか、またその日数が一番多かった年の冬日の日数となります。

例えば「札幌」では、最低気温が4.5℃までしか下がらなかった年もあれば、マイナス0.2℃まで下がった年もあるということです。

最低気温(℃) 0℃未満日数
最高の年 最低の年 30年平均 多い年
札幌 4.5 -0.2 0 1
稚内 3.2 -1.0 0.6 2
留萌 2.1 -2.4 1.2 5
名寄 -0.1 -5.8 4.7 8
旭川 1.2 -3.7 2.3 6
紋別 3.6 -2.9 2.1 7
網走 3.5 -3.3 2.6 7
北見 1.6 -5.8 3.8 8
岩見沢 2.9 -2.4 1.2 5
小樽 3.7 -0.2 0.0 1
帯広 1.7 -4.0 1.8 5
釧路 3.5 -3.2 1.7 5
根室 2.2 -3.0 1.7 5
倶知安 1.0 -4.6 2.0 6
室蘭 4.0 0.1 0.0 0
苫小牧 2.6 -3.0 1.2 5
浦河 3.2 -1.8 0.5 4
江差 5.1 0.4 0.0 0
函館 4.4 -1.2 0.3 3
千歳 1.9 -4.3 2.0 4

まだまだ、夜には氷点下まで気温が下がる日は珍しくないと言えそうです。札幌もゼロではありません。

日照率

日照率とは、日の出から日の入りまでの時間に対する日照時間の割合のことです。

例えば「札幌」では、日照率の30年平均が44%ですが、日照の少ない年は20%しかありません。また、1日に40%以上の日照率がある日は、30年間平均では10日のうち5.3日ですが、少ない年は2日しかない年もあるということが分かります。

日照率(%) 40%以上日数
30年平均 低い年 30年平均 少ない年
札幌 44 20 5.3 2
稚内 42 22 5.1 2
留萌 43 24 5.2 2
名寄 × × × ×
旭川 42 9 5.2 1
紋別 42 11 5.1 1
網走 44 21 5.8 3
北見 × × × ×
岩見沢 43 16 5.4 1
小樽 45 20 5.6 1
帯広 47 30 6.2 4
釧路 45 30 5.6 4
根室 45 29 5.8 3
倶知安 44 16 5.6 2
室蘭 49 25 6.1 3
苫小牧 44 20 5.4 2
浦河 45 25 5.6 2
江差 42 11 5.1 1
函館 47 13 6.2 2
千歳 × × × ×

冬には5倍の差があった北海道内の地域間較差(太平洋側が日本海側の5倍)ですが、4月以降はその差がほぼなくなります。

風速

風速は5m/sを超えると強く感じ、10m/sを超えるとかなり強く感じますので、10m/s以上の日がどれくらいあるのか日数についても30年平均と多い年の日数を一覧にまとめました。

平均風速(m/s) 10m/s以上日数
30年平均 高い年 30年平均 多い年
札幌 3.9 5.7 2.2 6
稚内 4.9 6.3 3.2 7
留萌 4.7 5.4 2.7 6
名寄 2.5 3.4 0.2 1
旭川 2.9 4.6 1.6 6
紋別 3.4 4.6 1.6 5
網走 3.6 5.2 1.4 5
北見 2.6 3.6 0.6 3
岩見沢 4.0 4.9 2.1 4
小樽 2.8 3.7 0.7 3
帯広 2.6 4.2 0.8 4
釧路 4.8 6.8 3.6 8
根室 5.6 7.5 4.4 8
倶知安 3.3 4.3 2.0 5
室蘭 4.3 5.7 2.7 7
苫小牧 3.3 4.7 1.1 5
浦河 4.1 5.4 2.9 7
江差 4.0 5.3 3.5 7
函館 3.7 5.6 2.1 7
千歳 5.4 6.2 5.5 8

北海道の冬の寒さは、気温に追加して風の強さにも大きく影響を受け、真冬の間、沿岸部では風が強く厳しい寒さとなっていました。

そして、札幌などは風が弱めであるため、気温が低くても、それほど厳しい寒さを感じなくてもすんでいたのですが、春になると、逆に気温が上昇しているのに風が強めに出てきてしまうため、寒さを感じる日が増えます。

1月下旬と4月下旬で、風速が強まった地域は、札幌1.4倍・名寄1.5倍・旭川1.3倍・北見1.4倍・千歳1.5倍など内陸部が多くなります。

逆に沿岸部では、留萌0.8倍・根室0.9倍・室蘭0.8倍・浦河0.8倍・江差0.6倍などかなり弱まっています。とは言っても内陸部より弱くなるわけではありません。

降雪量

降雪量(cm)
30年平均 多い年 少ない年
札幌 0 2 0
稚内 1 9 0
留萌 0 6 0
名寄 2 14 0
旭川 1 11 0
紋別 4 32 0
網走 5 57 0
北見 6 31 0
岩見沢 0 3 0
小樽 0 1 0
帯広 1 11 0
釧路 1 8 0
根室 1 12 0
倶知安 0 4 0
室蘭 1 16 0
苫小牧 0 1 0
浦河 0 5 0
江差 0 0 0
函館 0 0 0
千歳 0 0 0

さすがに4月下旬にもなると、かなりの地域で雪は珍しくなります。しかし、江差・函館・千歳以外の17地域では、ゼロではなく、雪のゴールデンウィークということもありえます。

最深積雪

最深積雪(cm)
30年平均 多い年 少ない年
札幌 0 2 0
稚内 1 5 0
留萌 0 8 0
名寄 5 42 0
旭川 1 11 0
紋別 3 24 0
網走 4 24 0
北見 4 31 0
岩見沢 2 40 0
小樽 0 2 0
帯広 1 9 0
釧路 1 9 0
根室 1 10 0
倶知安 15 89 0
室蘭 1 16 0
苫小牧 0 1 0
浦河 0 5 0
江差 0 0 0
函館 0 0 0
千歳 0 0 0

降雪量はゼロになっても、3月ころまでに積もった雪が、意外に長い間道端に残っています。道路の北側は南の日を浴びて早々に雪が無くなっても、南側は日が当たらないため、札幌でも4月下旬まで雪が残っている道路もあります。

札幌では、歩道がツルツルに凍結してしまっていて危険であるという部分はほぼありませんが、道北道東エリアでは、積雪量の数値を見る限りは、まだまだ油断は禁物です。

まとめ&桜の開花日

4月下旬の北海道は、函館や札幌などでは「桜」の開花が話題となり、春本番といった雰囲気になってくる時季です。

札幌の気温は、3月上旬2.5℃⇒3月中旬4.5℃⇒3月下旬6.4℃⇒4月上旬9.2℃⇒4月中旬11.6℃⇒4月下旬14.4℃と、急ピッチで気温上昇が進み、桜が咲いても良いくらいの暖かい日々を迎えます。

本州以南との気温差も、仙台17.5℃・東京20.8℃・大阪21.7℃・福岡21.6℃・那覇25.3℃などと比べると、6~7℃程度の差ですから、3月までは10℃程度の差があったことを踏まえると、かなり近づいてきた感じがします。

しかし、桜の開花が4月下旬に始まるのは道南と札幌くらいで、他の地域では5月に入ってから始まるのが通常であり、遅い道東方面では5月中旬になります。

また、札幌の開花日も2010年~2019年の10年間で、一番早い日は4月22日でしたが、一番遅い年は5月13日であったように、年によって大きく異なります。

年によって、地域によって大きく異なる4月下旬の北海道の気候について、気温・雪・日照・風・桜の開花日などのデータを、北海道内20地域分取り寄せてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。

最高気温が年により大きく異なるというデータをご紹介しましたが、桜の開花日程も、年により大きく異なりますので、代表的な4地域のみですが、10年分ほどご紹介します。

函館 札幌 帯広 旭川
2010年 4/30 5/3 5/4 5/5
2011年 5/2 5/7 5/3 5/9
2012年 5/2 5/1 5/5 5/2
2013年 5/8 5/13 5/10 5/18
2014年 4/28 4/29 4/27 5/2
2015年 4/21 4/22 4/26 4/27
2016年 4/24 4/25 4/30 5/3
2017年 4/27 4/28 5/1 5/3
2018年 4/25 4/26 4/27 4/30
2019年 4/24 4/24 4/28 5/1

札幌では、早い年は4月22日で、遅い年は5月13日ですから、21日も差があります。

同様に、函館では17日差・帯広14日差・旭川21日差と地域により違いはあります。

しかし、年によって2~3週間程度の差が出ても不思議ではないと理解できますね。

桜は気温に影響しますから、気温がそれだけ年によって異なる、不安定であるということです。

長い長い冬を終えて、やっと来るはずの春が遅くなるのは辛いものですが、そういうものなのだという理解ができていれば、気分的には落ち着けるのではないかと思われます。

以上『【4月下旬】北海道20都市の気候案内(最高最低気温/降雪積雪/日照率/風速)』について終わります。

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