【1月下旬】北海道20都市の気候案内(最高最低気温/降雪積雪/日照率/風速)

1月下旬の北海道20都市の気候を、各都市の違いが分かるようデータ一覧と説明・解説をまとめてみました。

広い北海道の中で、各都市によってどれだけの気候の違いがあるのか?

北海道は、同じ時期でも年によって気候の差が大きく現れますが、平均的な年と異常気象となる年との差は一体どれくらいあるのか?

地域間格差と年によっての格差が分かるよう各項目ごとにデータ化しています。

●20都市とは、札幌・稚内・留萌・名寄・旭川・紋別・網走・北見・岩見沢・小樽・帯広・釧路・根室・倶知安・室蘭・苫小牧・浦河・江差・函館・千歳です。

●気温は、最高気温・最低気温それぞれの30年間平均と、最高気温で最も高かった年の気温・最低気温で最も低かった年の気温を、また、最高気温が0℃未満となる「真冬日」の日数などまで揃えました。

●日照率は、30年間平均と、1日のうち40%以上となった日が何日あるかも、またそれぞれが一番低かった年はどれくらいになるのか?も計算しています。

●風速は、30年間平均と、風速10メートル以上と強風であった日が何日あるかも揃えています。

●降雪量と積雪量は、それぞれ30年間平均と、一番多かった年・一番少なかった年がどれくらいの量であったかも一覧にしています。

※各気象データは、気象庁ホームページのデータ30年間分を参照し、独自に30年平均や最も高い・低い・多い・少ないなどを集計しています。

※30年間データとは、西暦1990年~2019年(平成2年~31年)のデータです。

※データ表の中で「×」の欄(名寄・北見・千歳の日照率)は、気象庁にデータが無い項目となります。

※千歳の気温・風速は2003年以降、降雪・積雪は2006年以降のデータとなります。

気温

日の最高気温・最低気温の30年平均

日の最高気温と日の最低気温のそれぞれ30年間平均と、日の最高気温の旬(11日間)平均が最も高った年の気温、また日の最低気温の旬(11日間)平均が最も低かった年の気温です。

例えば「札幌」では、最高気温の30年平均はマイナス0.7℃ですが、最も寒さが弱かった年はプラス1.8℃でした。

また最低気温は、30年平均ではマイナス6.9℃ですが、最も寒かった年はマイナス11.9℃平均ですから、マイナス12℃前後の寒さ厳しい夜が多かった年もあるということが分かります。

最高気温(℃)旬平均 最低気温(℃)旬平均
30年平均 高い年 30年平均 低い年
札幌 -0.7 1.8 -6.9 -11.9
稚内 -2.9 0.0 -7.1 -10.8
留萌 -1.5 1.0 -8.1 -13.4
名寄 -4.7 -0.8 -15.4 -23.9
旭川 -3.4 -0.5 -12.3 -17.8
紋別 -2.7 0.3 -9.5 -14.8
網走 -2.6 0.3 -9.6 -14.8
北見 -3.0 0.3 -14.6 -20.9
岩見沢 -2.2 0.5 -9.9 -14.6
小樽 -0.8 1.7 -6.4 -9.7
帯広 -1.8 1.0 -13.8 -21.0
釧路 -0.7 1.4 -10.8 -18.4
根室 -1.4 1.3 -7.2 -11.1
倶知安 -2.2 0.6 -10.5 -15.2
室蘭 0.1 2.5 -4.6 -7.5
苫小牧 -0.0 2.1 -8.7 -14.5
浦河 0.6 2.9 -6.3 -10.0
江差 1.4 3.9 -4.0 -7.0
函館 0.6 3.2 -6.6 -11.3
千歳 -1.2 0.8 -13.3 -17.8

最高気温の旬(11日間)平均は、30年平均と最も高った年との差を見比べると、どの地域でも2~3℃程度です。

それに比べ最低気温・旬(11日間)平均は、30年平均と最も低かった年との差は、3~8度程度と差が大きくなります。

やはり、寒さ厳しい真冬は、最高気温よりも最低気温の方が大きくブレることが分かります。

最高気温・最高気温が0℃未満の日数

各年の1月下旬(11日間)の中で、日の最高気温が最も高かった年の最高気温と最も低かった年の最高気温、また、その最高気温が0℃未満の「真冬日」と呼ばれる日が、11日間の中で何日あったか、またその日数が一番多かった(寒い日が多かった)年の真冬日の日数となります。

例えば「札幌」では、最高気温が8.5℃まで上がった年もあればマイナス1.3℃までしか上がらなかった年もあり、1月下旬11日間は、毎日全ての時間が氷点下である年もあったということが分かります。

また、札幌では最高気温が0℃未満の日=真冬日は、11日間のうち30年平均では6.7日ですが、最も寒かった年は11日(毎日)が真冬日であったということです。

最高気温(℃) 0℃未満日数
最高の年 最低の年 30年平均 多い年
札幌 8.5 -1.3 6.7 11
稚内 7.4 -4.4 9.0 11
留萌 7.2 -2.1 8.1 11
名寄 5.3 -5.0 9.9 11
旭川 6.8 -2.9 9.3 11
紋別 7.8 -2.8 9.2 11
網走 8.9 -3.5 9.1 11
北見 6.8 -4.0 9.1 11
岩見沢 8.0 -2.9 8.4 11
小樽 11.0 -2.0 6.8 11
帯広 6.3 -2.4 7.7 11
釧路 7.3 -0.8 6.5 11
根室 6.0 -0.5 7.8 11
倶知安 8.7 -3.5 8.6 11
室蘭 7.9 -0.5 5.0 11
苫小牧 5.9 -1.1 5.3 11
浦河 7.9 0.7 4.0 10
江差 10.3 0.7 3.6 9
函館 9.9 0.1 4.5 10
千歳 5.3 0.4 7.8 10

最高気温の各地域間格差は、高い年で5.7℃差、低い年でも5.7℃差と、北海道内の各地でそれほど大きな差はないことが分かります。

最低気温・最低気温が0℃未満の日数

各年の1月下旬(11日間)の中で、日の最低気温が最も高かった年の最低気温と最も低かった年の最低気温、また、その最低気温が0℃未満の「冬日」と呼ばれる日が、11日間の中で何日あったか、またその日数が一番多かった年の冬日の日数となります。

例えば「札幌」では、最低気温がマイナス7.1℃までしか下がらなかった年もあれば、マイナス15.6℃まで下がった年もあるということです。また、札幌では冬日が30年間平均で11日ですから、全ての日が冬日で、毎日必ず氷点下に下がる時間帯があるということになります。

最低気温(℃) 0℃未満日数
最高の年 最低の年 30年平均 多い年
札幌 -7.1 -15.6 11 11
稚内 -6.6 -15.4 10.9 11
留萌 -8.7 -20.0 10.9 11
名寄 -14.3 -33.2 11.0 11
旭川 -12.3 -27.7 11.0 11
紋別 -9.4 -20.0 11.0 11
網走 -10.6 -18.9 10.9 11
北見 -16.7 -24.7 11.0 11
岩見沢 -10.4 -21.3 11.0 11
小樽 -6.7 -14.3 10.9 11
帯広 -15.3 -26.7 11.0 11
釧路 -12.7 -22.6 10.9 11
根室 -7.5 -14.9 10.8 11
倶知安 -10.8 -24.7 11.0 11
室蘭 -4.2 -11.2 10.6 11
苫小牧 -8.2 -19.2 10.8 11
浦河 -7.1 -13.5 10.7 11
江差 -3.5 -11.6 10.1 11
函館 -6.6 -14.7 10.6 11
千歳 -15.8 -24.2 11.0 11

最低気温は、最も高かった年と低かった年の差が10℃以上も開く地域が8地域もありますが、名寄では18.9℃もの差が出ています。

最低気温における地域間較差を計算すると、最高の年で13.2℃(江差・北見)、最低の年で22.0℃(室蘭・名寄)も差が開きます。最高気温での計算では5.7℃ずつでしたから、地域間較差は最高気温より最低気温に大きく表れていると言えます。

各地域の最低気温の違いをある程度の感覚で3分類してみました。

●緩やかな方・・・札幌・稚内・根室・室蘭・浦河・江差・函館

●寒い方・・・留萌・紋別・網走・岩見沢・釧路・倶知安

●かなり寒い方・・・名寄・旭川・北見・帯広・千歳

日照率

日照率とは、日の出から日の入りまでの時間に対する日照時間の割合のことです。

例えば「札幌」では、日照率の30年平均が32%ですが、日照の少ない年は19%しかありません。また、1日に40%以上の日照率がある日は、30年間平均では11日のうち3.9日ですが、少ない年は1日しかない年もあるということが分かります。

  日照率(%) 40%以上日数
30年平均 低い年 30年平均 少ない年
札幌 32 19 3.9 1
稚内 16 4 1.5 0
留萌 20 2 2.3 0
名寄 × × × ×
旭川 31 14 3.8 0
紋別 36 22 4.7 2
網走 41 23 5.9 2
北見 × × × ×
岩見沢 37 17 4.8 1
小樽 23 11 2.4 0
帯広 66 41 8.6 6
釧路 64 31 8.3 5
根室 53 36 7.1 4
倶知安 18 5 1.7 0
室蘭 34 19 4.0 0
苫小牧 48 30 7.1 4
浦河 52 32 6.9 3
江差 13 4 1.3 0
函館 37 15 4.9 1
千歳 × × × ×

北海道の冬は全ての地域が、寒く大雪でドンよりとした日が多いと思われがちですが、実はエリアによって大きく異なります。

太平洋側の釧路や根室・帯広・苫小牧・浦河は、他のエリアよりもかなり日照率が高くなり、日本海側の稚内・留萌・小樽・倶知安・江差はかなり低くなります。

一番高い帯広と一番低い江差では、5倍もの差があります。

風速

  平均風速(m/s) 10m/s以上日数
30年平均 高い年 30年平均 多い年
札幌 2.9 4.3 1.2 4
稚内 4.9 6.2 3.2 7
留萌 6.0 8.7 5.2 11
名寄 1.6 2.8 0.1 1
旭川 2.2 4.8 0.9 4
紋別 3.6 4.5 1.1 4
網走 3.8 5.0 1.3 3
北見 1.8 2.9 0.3 4
岩見沢 3.2 4.3 0.9 5
小樽 3.2 4.2 0.6 4
帯広 2.2 3.9 0.3 2
釧路 4.7 6.8 3.7 9
根室 5.9 8.1 5.5 9
倶知安 2.9 4.0 1.3 6
室蘭 5.5 7.4 5.0 10
苫小牧 3.2 4.5 1.4 4
浦河 5.1 7.0 5.7 9
江差 6.9 9.3 8.1 11
函館 3.6 4.9 2.0 6
千歳 3.6 5.0 2.5 5

北海道の冬の寒さは、気温に追加して、雪の量と風の強さに大きく影響を受けます。

やはり海沿いの地域では風速が高くなりますが、30年平均で見ると、稚内4.9m/s、留萌6.0m/s、釧路4.7m/s、根室5.9m/s、室蘭5.5m/s、浦河5.1m/s、江差6.9m/sが該当します。

札幌では、雪が多く風が弱めであるため、最高気温が氷点下の日々でも、意外と寒さ厳しさを感じない日々が多いものです(雪があると、無い状態より暖かく感じられるのです)。

降雪量

  降雪量(cm)  
30年平均 多い年 少ない年
札幌 53 157 11
稚内 49 132 18
留萌 60 108 19
名寄 62 95 30
旭川 49 128 12
紋別 31 64 11
網走 31 68 7
北見 42 75 5
岩見沢 68 183 2
小樽 67 155 19
帯広 20 106 0
釧路 11 66 0
根室 15 55 1
倶知安 119 299 49
室蘭 19 39 2
苫小牧 17 41 0
浦河 12 31 0
江差 22 67 5
函館 33 66 5
千歳 23 40 1

北海道の冬は大雪が降るというのが一般的な認識ですが、エリアによって雪の量は大きく異なります。

特に、釧路・根室・帯広・苫小牧・室蘭などの太平洋側はかなり少ないエリアです。

スキー場も近い倶知安を除いた中で、積雪量が一番多い岩見沢と一番少ない釧路を比較すると「6倍」もの差があります。

最深積雪

  最深積雪(cm)  
30年平均 多い年 少ない年
札幌 76 119 33
稚内 59 106 20
留萌 73 122 29
名寄 89 131 47
旭川 70 122 35
紋別 44 88 20
網走 46 86 15
北見 61 125 27
岩見沢 101 167 36
小樽 94 141 56
帯広 53 91 22
釧路 20 67 1
根室 20 53 3
倶知安 156 229 98
室蘭 17 36 1
苫小牧 21 42 4
浦河 11 32 0
江差 19 44 3
函館 33 60 7
千歳 37 66 19

降雪量の少ないエリアは、当然のことながら積雪量も少なくなります。

特に釧路・室蘭・浦河では、積雪量が0cmに近い年もある通り、真冬の1月下旬でも雪が積もっていない年があったりもします。

まとめ

1月下旬は、2月上旬と並び1年の中で最も寒さ厳しい時季となります(どちらが寒いかは地域によって異なりますが大差はありません)。

例えば札幌の1月上旬の最高気温の30年平均はマイナス0.7℃で、北海道外の仙台5.2℃・東京9.7℃・大阪9.1℃・福岡9.6℃・那覇19.2℃に比べ、10℃程度の差があります。

東京でさえ1月下旬の寒さには堪えるものがありますが、更に札幌は10℃も低くなりますが大丈夫でしょうか?

しかし、札幌以外の北海道内各地域では、更に気温が低い地域がたくさんあります。

そして、北海道の冬の寒さは、気温だけではなく、雪の量や日照時間・風の強さなどにも影響を受けます。

そこで、1月下旬の北海道各地について、気温だけでなく、降雪量や積雪量、日照率や風速などのデータを20地域分取り寄せて、まとめてみましたがいかがでしたでしょうか?

 

1年の中で最も気温が低くなる地域が多い1月の下旬ですが、地域によって、その気温には大きな差があります。

また、気温だけでなく、雪の状態(降雪・積雪)によって、日光の当たる量によって、風の強さによっても、寒い!辛いと感じる体感は異なってきます。

雪が降っていると気温よりも暖かく感じられます。東京の8℃くらいと、札幌のマイナス2℃くらいで、同程度の寒さ感覚であるとおっしゃっている方もいるくらいです。

日光の当たる時間が多いと、暖かさを感じられるというメリットもありますが、道路をアイスバーン・ツルツル歩道にして滑る事故を引き起こすデメリットもあります

凍り道は、雪が一度融けて水分になり、その後に冷えることで出来上がる仕組みですので、一度融かす要因である日光は凍らせる要素の1つです。

これらの特徴は、知識的にもあまり知られていないことでもあり、実際に北海道の冬の生活を経験してみないと実感できないものでもあります。

しかし、旅行で数日だけ北海道へ来られるという方も、そのあたりの事情を認識しておくだけでも、不意の事故や想定外の寒さ(ストレス)を防ぐ可能性が高まります。

とにかく、北海道の冬を一括りに考えず、地域によって、その年その日によって、天候は違うものであるという認識で、天気予報などを細かくチェックされることをお勧めします

以上で『【1月下旬】北海道20都市の気候案内(最高最低気温/降雪積雪/日照率/風速)』について終わります。

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