【3月下旬】北海道20都市の気候案内(最高最低気温/降雪積雪/日照率/風速)

3月下旬の北海道20都市の気候を、各都市の違いが分かるようデータ一覧と説明・解説をまとめてみました。

広い北海道の中で、各都市によってどれだけの気候の違いがあるのか?

北海道は、同じ時期でも年によって気候の差が大きく現れますが、平均的な年と異常気象となる年との差は一体どれくらいあるのか?

地域間格差と年によっての格差が分かるよう各項目ごとにデータ化しています。

●20都市とは、札幌・稚内・留萌・名寄・旭川・紋別・網走・北見・岩見沢・小樽・帯広・釧路・根室・倶知安・室蘭・苫小牧・浦河・江差・函館・千歳です。

●気温は、最高気温・最低気温それぞれの30年間平均と、最高気温で最も高かった年の気温・最低気温で最も低かった年の気温を、また、最高気温が0℃未満となる「真冬日」の日数などまで揃えました。

●日照率は、30年間平均と、1日のうち40%以上となった日が何日あるかも、またそれぞれが一番低かった年はどれくらいになるのか?も計算しています。

●風速は、30年間平均と、風速10メートル以上と強風であった日が何日あるかも揃えています。

●降雪量と積雪量は、それぞれ30年間平均と、一番多かった年・一番少なかった年がどれくらいの量であったかも一覧にしています。

※各気象データは、気象庁ホームページのデータ30年間分を参照し、独自に30年平均や最も高い・低い・多い・少ないなどを集計しています。
※30年間データとは、西暦1990年~2019年(平成2年~31年)のデータです。
※データ表の中で「×」の欄(名寄・北見・千歳の日照率)は、気象庁にデータが無い項目となります。
※千歳の気温・風速は2003年以降、降雪・積雪は2006年以降のデータとなります。

気温

日の最高気温・最低気温の30年平均

日の最高気温と日の最低気温のそれぞれ30年間平均と、日の最高気温の旬(11日間)平均が最も高った年の気温、また日の最低気温の旬(11日間)平均が最も低かった年の気温です。

例えば「札幌」では、最高気温の30年平均は6.4℃ですが、最も寒さが弱かった年は10.4℃でした。

また、最低気温は30年平均ではマイナス0.8℃ですが、最も寒かった年はマイナス3.8℃ですから、まだまだ夜には氷点下まで下がる日も多いということが分かります。

最高気温(℃)旬平均 最低気温(℃)旬平均
30年平均 高い年 30年平均 低い年
札幌 6.4 10.4 -0.8 -3.8
稚内 3.2 6.0 -1.6 -3.7
留萌 4.8 8.2 -2.0 -4.9
名寄 3.6 6.9 -6.4 -10.0
旭川 5.1 8.8 -4.2 -6.9
紋別 4.0 8.2 -3.3 -5.9
網走 3.9 8.2 -3.0 -6.0
北見 5.1 8.1 -5.0 -8.9
岩見沢 5.4 9.4 -2.8 -5.4
小樽 5.9 9.3 -1.0 -3.2
帯広 7.0 10.1 -3.3 -7.1
釧路 4.7 7.4 -2.6 -6.1
根室 3.6 6.5 -2.4 -5.0
倶知安 4.8 7.8 -4.1 -6.5
室蘭 6.2 10.2 -0.1 -2.8
苫小牧 6.0 9.7 -2.3 -5.1
浦河 5.6 8.1 -1.3 -3.7
江差 7.2 9.6 1.0 -1.5
函館 7.7 11.0 -0.9 -3.5
千歳 5.9 9.7 -3.8 -7.1

最高気温も最低気温も、1月・2月・3月と当然のことながら気温が上昇しているのですが、地域間の差も縮まってきています。

参考例として、冬に気温が一番高い地域であることが多い「江差」と一番低いことが多い「名寄」の気温を並べてみました。

最高気温 最低気温
江差 名寄 江差 名寄
1月下旬 1.4 -4.7 -4.0 -15.4
2月下旬 3.6 -1.1 -2.2 -13.2
3月下旬 7.2 3.6 1.0 -6.4

そして、この2地域の差を出してみます

最高気温 最低気温
1月下旬 6.0 11.4
2月下旬 4.6 11.0
3月下旬 3.6 7.5

江差と名寄の差が、ほぼ北海道内20地域における最大差と言っても過言ではないのですが、気温の上昇とともに、地域差がかなり縮まってきていることが分かります。

同じ北海道であっても、地域によって、真冬の気温の低下する大きさが異なるためで、この2か月における最低気温の上昇は、江差では5℃ですが、名寄では9℃です。よって、地域差が約4℃縮まりました(0.1の誤差は、端数四捨五入の関係です)。

最高気温・最高気温が0℃未満の日数

最高気温について、この項目ではもう少し詳しく見ていきます。

各年の3月下旬(11日間)の中で、日の最高気温が最も高かった年の最高気温と最も低かった年の最高気温、また、その最高気温が0℃未満の「真冬日」と呼ばれる日が、11日間の中で何日あったのか、またその日数が一番多かった(寒い日が多かった)年の真冬日の日数を一覧表にしました。

例えば「札幌」では、最高気温が16.4℃まで上がった年もあれば8.0℃までしか上がらなかった年もあるということで、本州の春並みの気温まで上がった年と、真冬の気温までしか上がらなかった年があるということです。

また、札幌では最高気温が0℃未満の日=真冬日は、11日間のうち30年平均ではわずかに0.1日ですが、最も寒かった年は3日もあったということです。

最高気温(℃) 0℃未満日数
最高の年 最低の年 30年平均 多い年
札幌 16.4 8.0 0.1 3
稚内 13.1 2.8 1.5 5
留萌 16.8 6.7 0.5 4
名寄 13.3 5.3 1.5 6
旭川 16.5 6.4 0.8 5
紋別 18.7 5.7 1.8 5
網走 18.3 5.8 1.7 5
北見 17.1 6.6 0.9 4
岩見沢 15.0 6.4 0.5 5
小樽 16.9 8.2 0.3 4
帯広 17.7 8.7 0.1 2
釧路 15.9 5.7 0.3 2
根室 12.8 4.4 1.0 4
倶知安 13.3 6.7 0.8 4
室蘭 16.7 6.8 0.1 1
苫小牧 14.2 7.5 0.1 2
浦河 15.2 6.3 0.1 1
江差 17.2 8.3 0.0 0
函館 16.6 8.6 0.1 1
千歳 14.8 5.5 0.2 1

上記のデータは、最高気温が30年のうちで最も高くなった年の最高気温と、最も上がることが出来なかった年ということですから、ある意味異常気象の年ということになります。

その異常気象の年について地域間較差を計ってみると、最高の年においては、紋別18.7℃~根室12.8℃の差が最大差となりますが、5.9℃差でした。

同様に最低の年で見てみると、帯広8.7~稚内2.8の差が5.9℃ということで、偶然に数値が一致したわけですが、気温が高くブレる年も低くブレる年も、地域間差への影響は、ほぼないと見て良いということになります。

最低気温・最低気温が0℃未満の日数

各年の3月下旬(11日間)の中で、日の最低気温が最も高かった年の最低気温と最も低かった年の最低気温、また、その最低気温が0℃未満の「冬日」と呼ばれる日が、10日間の中で何日あったか、またその日数が一番多かった年の冬日の日数となります。

例えば「札幌」では、最低気温がマイナス0.3℃までしか下がらなかった年もあれば、マイナス7.5℃まで下がった年もあるということです。

札幌では冬日が30年間平均で7日ですが、多い年は11日・毎日が冬日という年もあったことが分かります。

最低気温(℃) 0℃未満日数
最高の年 最低の年 30年平均 多い年
札幌 -0.3 -7.5 7.0 11
稚内 -0.4 -8.6 8.0 11
留萌 -2.7 -10.9 8.6 11
名寄 -6.1 -19.9 10.6 11
旭川 -3.5 -15.1 10.1 11
紋別 -3.3 -14.2 9.8 11
網走 -2.3 -11.9 9.7 11
北見 -6.7 -14.2 10.4 11
岩見沢 -3.3 -12.2 9.3 11
小樽 -0.5 -8.0 7.2 11
帯広 -2.0 -12.9 9.8 11
釧路 -1.6 -13.4 9.0 11
根室 -1.6 -10.3 9.6 11
倶知安 -3.8 -13.0 9.5 11
室蘭 -0.7 -5.6 5.4 10
苫小牧 -3.5 -10.3 8.5 11
浦河 -2.1 -8.2 7.8 11
江差 -0.2 -4.9 4.3 7
函館 -1.2 -9.7 7.2 11
千歳 -3.5 -14.5 9.5 11

前項目と同様に、最低気温の最高の年と最低の年の地域間較差を計算してみます。

最高の年は、江差▲0.2℃~北見6.7℃で、6.5℃差です。

最低の年は、江差4.9℃~名寄19.9℃で、15.0℃差です。

冬の間は常に同じ傾向ですが、最低気温が下にブレる年ほど地域間格差は広がります。

この傾向は、最高気温では最高の年も最低の年にもなく、最低気温では最高の年の方が差が小さくなります。

この傾向が分かるように、1月下旬・2月下旬・3月下旬の地域差を一覧表にしてみました。

最高気温の地域差 最低気温の地域差
最高の年 最低の年 最高の年 最低の年
1月下旬 5.7 5.7 13.2 22.0
2月下旬 7.6 5.8 13.4 18.8
3月下旬 5.9 5.9 6.5 15.0

最高気温より最低気温の方が地域差が大きい、最低気温でも最低の年の方が気温差が大きいということが分かります。

また、1月下旬から3月下旬に向かって気温低下の激しさが和らいで来るにしたがって、最低気温の地域差も小さくなっていくことが分かります。

日照率

日照率とは、日の出から日の入りまでの時間に対する日照時間の割合のことです。
例えば「札幌」では、日照率の30年平均が43%ですが、日照の少ない年は20%しかありません。また、1日に40%以上の日照率がある日は、30年間平均では11日のうち5.6日ですが、少ない年は3日しかない年もあるということが分かります。

日照率(%) 40%以上日数
30年平均 低い年 30年平均 少ない年
札幌 43 20 5.6 3
稚内 41 22 5.4 2
留萌 41 22 5.3 2
名寄 × × × ×
旭川 42 25 5.4 1
紋別 46 29 6.3 3
網走 48 23 6.8 4
北見 × × × ×
岩見沢 47 25 6.5 3
小樽 41 22 5.3 2
帯広 59 34 8.2 4
釧路 52 28 7.3 3
根室 51 28 7.3 3
倶知安 39 19 5.0 0
室蘭 54 36 7.3 4
苫小牧 47 30 6.6 2
浦河 54 32 7.4 4
江差 38 22 5.1 1
函館 46 29 6.6 3
千歳 × × × ×

日照率は、太平洋側が高く日本海側が低い傾向にありますが、この時期になると、かなりその差が縮まってきます。

1月頃には一番日照率の高い釧路や帯広と、一番低い江差や稚内とは、5倍以上の差がありましたが、3月下旬では1.5倍以下となっています。

風速

風速は5m/sを超えると強く感じ、10m/sを超えるとかなり強く感じますので、10m/s以上の日がどれくらいあるのか日数についても30年平均と多い年の日数を一覧にまとめました。

平均風速(m/s) 10m/s以上日数
30年平均 高い年 30年平均 多い年
札幌 3.4 5.3 1.4 5
稚内 4.6 7.1 2.6 6
留萌 5.3 7.1 4.3 9
名寄 2.3 3.4 0.4 2
旭川 2.8 4.9 1.3 6
紋別 3.5 4.9 1.3 5
網走 3.5 5.1 1.3 5
北見 2.2 3.0 0.3 2
岩見沢 3.4 4.2 0.9 3
小樽 3.1 4.0 0.6 2
帯広 2.6 3.6 0.4 2
釧路 4.9 7.2 4.2 10
根室 5.5 7.7 4.8 9
倶知安 3.2 4.3 2.0 7
室蘭 4.7 6.5 3.2 8
苫小牧 3.2 4.7 0.8 5
浦河 4.7 7.2 4.8 9
江差 5.5 7.4 5.6 10
函館 4.0 5.9 3.6 9
千歳 4.3 5.8 3.6 9

北海道の冬の寒さは、気温に追加して雪の量と風の強さに大きく影響を受けます。

札幌では、雪が多く風が弱めであるため、最高気温が氷点下の日々でも、意外と寒さ厳しさを感じない日々が多いものです(雪があると、無い状態より暖かく感じられるのです)。

しかし、稚内・留萌・根室・室蘭・浦河・江差など海に近いエリアを中心に風が強いエリアでは、気温が上昇してきた3月下旬であっても、風により体感気温が下がってしまう日が多くあります。

降雪量

降雪量(cm)
30年平均 多い年 少ない年
札幌 17 59 0
稚内 15 47 1
留萌 13 75 0
名寄 38 70 3
旭川 18 66 0
紋別 14 64 1
網走 12 38 0
北見 25 56 2
岩見沢 15 51 0
小樽 20 56 0
帯広 13 61 0
釧路 9 42 0
根室 12 78 0
倶知安 27 83 0
室蘭 4 32 0
苫小牧 6 20 0
浦河 3 22 0
江差 4 21 0
函館 8 51 0
千歳 9 28 0

北海道の冬は大雪が降るというのが一般的な認識ですが、エリアによって雪の量は大きく異なります。

特に、釧路・根室・帯広・苫小牧・室蘭などの太平洋側はかなり少ないエリアになります。

北海道の中では、札幌は雪の多い方の部類に入り、1月2月頃は太平洋側各地域の4~5倍ほどの積雪量となっています。しかし、3月下旬ともなると、札幌に降る雪の量は1月2月の3~4割程度まで減少するともに、釧路や帯広との差も1.5倍程度まで縮まります。

最深積雪

最深積雪(cm)
30年平均 多い年 少ない年
札幌 51 117 3
稚内 37 102 2
留萌 41 100 0
名寄 81 135 29
旭川 57 119 0
紋別 33 70 1
網走 30 69 1
北見 43 106 2
岩見沢 65 149 4
小樽 75 128 12
帯広 27 59 1
釧路 9 57 0
根室 14 115 0
倶知安 137 197 70
室蘭 5 25 0
苫小牧 6 28 0
浦河 2 14 0
江差 3 18 0
函館 8 53 0
千歳 14 45 0

降雪量の多いエリアは、当然のことながら積雪量も少なく、降雪量が多い地域は積雪量も多くなるのですが、3月中旬ともなると、かなり多くの地域で、年によっては積雪0cm=道路に雪のない状況が発生します。

まとめ

3月下旬の北海道は、本州各地が桜の開花で盛り上がる中、北海道では桜の開花が5月上旬か4月下旬かと、やっと1か月遅れで開花予想の話題が出てくる頃です。

それもそのはずで、札幌の3月下旬の最高気温は、まだ6.4℃(旬・30年平均)であり、本州の真冬最ピーク期の気温にすら追いついていないのです。

東京では15.2℃、名古屋で15.9℃、大阪15.6℃、福岡16.1℃ですから、テレビをつければ春の話題が飛び交う中、北海道だけが冬の中に取り残されています。

それでも、札幌では真冬のコートから春物のコートに切り替える若者も増え始めます。

最高気温が氷点下といった寒さの最ピークに比べれば、暖かくなってきたのですから。

そして、年によっては、道路に積もった雪が無くなる頃でもあります。端に残った雪や砂利が黒く汚らしくもありますが、歩く歩道は雪も氷もなく快適な歩行ができる状態は、気温以上に春の訪れを感じる方も多いことでしょう。

しかし、年によっては、まだまだ大雪が降ることもありますし、まだまだ積もった雪が無くなりそうにない地域もあります。

そんな北海道の3月下旬について、気温・雪・日照・風のデータを20地域に分けて、地域による違いを中心にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

 

北海道の3月下旬は、1年間の中で最も厄介な時季かもしれません。

気温が上昇してきて、日中は5℃くらいまで上がる日が多くなり、日によっては10℃を超える日もあるくらいです。

しかし、まだまだ深夜には氷点下にまで下落する日が多いのです。

そして、その日中はプラスで深夜はマイナスという気温が、厄介な状況を生み出します。

プラス・マイナスの気温が低めの時は、日中に溶けた雪の水分が深夜に凍り付き、ツルツルの凍った道路を生成します。

1月2月の昼も夜もマイナスの時季は、この現象が起きにくく、しかも雪が降れば新雪の状態で歩きやすい道路状況が維持されますが、3月のツルツルの道路は、滑りやすく転んで救急車で運ばれるなんてことにもなりますので注意が必要です。

プラス・マイナスの気温が高めの時は、日中に溶かした雪が深夜に凍らないため、道路は雪解けの水でどんどん水たまりが大きくなっていきます。

特に交差点付近では、横断歩道を水たまりを避けて渡るのも大変になりますし、信号待ちをしている間に通る車の水撥ねにも注意が必要です。

そして、雪がほぼ無くなったころには、歩道に残った砂利や、車道に残った黒く汚れた雪の残骸が、街の景観をかなり悪くします。

しかし、道路の雪が無くなると、歩行が急に快適になりますので、このツルツルびちゃびちゃ・汚れた道路の景観は、通過点としての必要悪くらいに捉えておいても良いかもしれません。

以上『【3月下旬】北海道20都市の気候案内(最高最低気温/降雪積雪/日照率/風速)』について終わります。

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