【5月下旬】北海道20都市の気候案内(最高最低気温/降雪積雪/日照率/風速)

5月下旬の北海道20都市の気候を、各都市の違いが分かるようデータ一覧と説明・解説をまとめてみました。

広い北海道の中の各都市によって、どれだけの気候の違いがあるのか?

北海道は、同じ時期でも年によって気候の差が大きく現れますが、平均的な年と異常気象となる年との差は一体どれくらいあるのか?

地域間格差と年によってどこまで異常になるか?も各項目ごとにデータ化しています。

●20都市とは、札幌・稚内・留萌・名寄・旭川・紋別・網走・北見・岩見沢・小樽・帯広・釧路・根室・倶知安・室蘭・苫小牧・浦河・江差・函館・千歳です。

●気温は、最高気温・最低気温それぞれの30年間平均と、最高気温で最も高かった年の気温・最低気温で最も低かった年の気温を、また、最高気温が0℃未満となる「真冬日」の日数などまで揃えました。

●日照率は、30年間平均と、1日のうち40%以上となった日が何日あるかも、またそれぞれが一番低かった年はどれくらいになるのか?も計算しています。

●風速は、30年間平均と、風速10メートル以上と強風となった日が何日あるかも揃えています。

●降雪量と積雪量は、それぞれ30年間平均と、一番多かった年・一番少なかった年がどれくらいの量であったかも一覧にしています。

※各気象データは、気象庁ホームページのデータ30年間分を参照し、独自に30年平均や最も高い・低い・多い・少ないなどを集計しております。
※30年間データとは、西暦1989年~2018年(平成1年~30年)のデータです。
※データ表の中で「×」の欄(名寄・北見・千歳の日照率)は、気象庁にデータが無い項目となります。
※千歳の気温・風速は2003年以降、降雪・積雪は2006年以降のデータとなります。

気温

日の最高気温・最低気温の30年平均

日の最高気温と日の最低気温のそれぞれ30年間平均と、日の最高気温の旬(10日間)平均が最も高った年の気温、また日の最低気温の旬(10日間)平均が最も低かった年の気温です。

例えば「札幌」では、最高気温の30年平均は19.9℃ですが、最も暖かった年は25.6℃でした。また、最低気温は30年平均が10.7℃で、最も寒かった年でも9.0℃と、寒い方へは安定したころであることが分かります。

最高気温(℃)旬平均 最低気温(℃)旬平均
30年平均 高い年 30年平均 低い年
札幌 19.9 25.6 10.7 9.0
稚内 14.2 19.5 7.9 4.6
留萌 17.3 22.7 9.1 7.0
名寄 19.9 24.4 6.3 3.7
旭川 21.0 25.3 8.5 5.8
紋別 15.6 23.9 7.2 4.2
網走 16.3 23.3 7.5 4.5
北見 19.5 25.6 7.3 4.6
岩見沢 19.7 24.1 8.9 7.1
小樽 18.6 24.6 9.5 7.8
帯広 19.6 25.6 7.8 5.2
釧路 13.6 18.0 6.6 4.1
根室 13.0 19.1 5.7 3.2
倶知安 19.0 23.9 7.9 6.1
室蘭 16.3 21.8 9.2 7.3
苫小牧 15.4 18.8 8.3 7.1
浦河 14.8 18.2 7.8 5.7
江差 17.4 20.7 10.5 8.8
函館 18.5 23.2 9.6 8.1
千歳 18.1 22.1 7.9 6.8

最高気温と最低気温の差は、20地域平均で9.2℃差となりますが、差が大きい地域は、名寄13.6℃差・旭川12.5℃差・北見12.2℃差・岩見沢10.8℃差・帯広11.7℃差・倶知安11.2℃差・千歳10.2℃差など、内陸部の地域です。

最高気温・最高気温が0℃未満の日数

最高気温について、この項目ではもう少し詳しく見ていきます。

各年の5月下旬(11日間)の中で、日の最高気温が最も高かった年の最高気温と最も低かった年の最高気温、また、その最高気温が0℃未満の「真冬日」と呼ばれる日が、11日間の中で何日あったのか、またその日数が一番多かった(寒い日が多かった)年の真冬日の日数を一覧表にしました。

例えば「札幌」では、最高気温が34.2℃まで上がった年もあれば18.7℃までしか上がらなかった年もあるということです。

また、札幌では最高気温が0℃未満の日=真冬日が、11日間のうち平均で0.0日であったということで、1日も無かったということが分かります。

最高気温(℃) 0℃未満日数
最高の年 最低の年 30年平均 多い年
札幌 34.2 18.7 0.0 0
稚内 23.6 14.6 0.0 0
留萌 29.3 18.9 0.0 0
名寄 32.2 22.8 0.0 0
旭川 34.3 23.6 0.0 0
紋別 37.0 14.0 0.0 0
網走 35.4 18.1 0.0 0
北見 38.1 20.4 0.0 0
岩見沢 33.1 20.5 0.0 0
小樽 30.2 19.5 0.0 0
帯広 38.8 20.7 0.0 0
釧路 25.5 13.7 0.0 0
根室 34.0 10.6 0.0 0
倶知安 32.5 19.4 0.0 0
室蘭 27.6 17.4 0.0 0
苫小牧 27.3 15.7 0.0 0
浦河 23.1 16.0 0.0 0
江差 27.0 19.5 0.0 0
函館 28.0 18.9 0.0 0
千歳 28.5 18.5 0.0 0

上記データを更に、最高気温が年によってどれくらいの差が出るのか?最高の年と最低の年の差を計算してみました。

20地域の平均が12.9℃差であるところ、差が大きい地域TOP5は、①根室23.4℃差 ②紋別23.0℃差 ③帯広18.1℃差 ④北見17.7℃差 ⑤網走17.3℃差で、北海道の東側に最高気温が不安定である地域が多いことが分かりました。

最低気温・最低気温が0℃未満の日数

各年の5月下旬(10日間)の中で、日の最低気温が最も高かった年の最低気温と最も低かった年の最低気温、また、その最低気温が0℃未満の「冬日」と呼ばれる日が、10日間の中で何日あったか、またその日数が一番多かった年の冬日の日数となります。

例えば「札幌」では、最低気温が10.3℃までしか下がらなかった年もあれば、5.5℃まで下がった年もあるということです。また、札幌では冬日になった日はありませんが、北側の地域では、まだ冬日=最低気温が0℃未満の日があったことも分かります。

最低気温(℃) 0℃未満日数
最高の年 最低の年 30年平均 多い年
札幌 10.3 5.5 0 0
稚内 10.0 -0.1 0.0 1
留萌 9.6 -0.5 0.0 1
名寄 6.1 -2.2 0.3 2
旭川 9.5 -1.0 0.0 1
紋別 8.1 0.6 0.0 0
網走 8.1 0.1 0.0 0
北見 6.8 -2.3 0.1 2
岩見沢 9.4 1.6 0.0 0
小樽 9.6 4.9 0.0 0
帯広 7.4 0.3 0.0 0
釧路 6.7 0.9 0.0 0
根室 6.7 0.3 0.0 0
倶知安 7.2 0.9 0.0 0
室蘭 9.2 4.6 0.0 0
苫小牧 8.3 2.9 0.0 0
浦河 8.3 2.9 0.0 0
江差 10.2 5.6 0.0 0
函館 10.3 4.3 0.0 0
千歳 8.6 0.8 0.0 0

上記データを更に、最低気温が年によってどれくらいの差が出るのか?最高の年と最低の年の差を計算してみました。

20地域の平均が7.0℃差であるところ、差が大きい地域TOP5は、①旭川10.5℃差 ②稚内10.1℃差 ③留萌10.1℃差 ④北見9.1℃差 ⑤名寄8.3℃差で、北海道の北側に最低気温が不安定である地域が多いことが分かりました。

最高気温に比べれば気温差=不安定さは小さいのですが、上記5地域の最低の気温は氷点下となりますので、注意が必要です。

降水量と日照時間

降水量(mm)については、30年平均と一番多かった年の量(mm)を一覧にし、降水量は一時的な大雨などに影響を受けることもなるため、日照時間についても30年平均と一番少なかった年の日照時間を一覧にしました。

例えば札幌の降水量は30年平均では15mmですが、多い年には3倍の45mm降ったことがあり、日照時間の30年平均は74時間ですが、少ない年には46時間しかなかった年もあったということが分かります。

降水量(mm) 日照時間(時間)
30年平均 多い年 30年平均 少ない年
札幌 15 45 74 46
稚内 25 80 67 31
留萌 17 51 76 42
名寄 21 60 64 32
旭川 19 49 74 46
紋別 19 58 66 25
網走 19 55 69 35
北見 18 49 61 33
岩見沢 25 66 73 36
小樽 16 43 75 45
帯広 30 97 65 27
釧路 40 118 56 21
根室 33 108 58 22
倶知安 22 73 73 39
室蘭 32 122 69 38
苫小牧 42 125 59 31
浦河 41 130 65 33
江差 29 125 68 37
函館 29 118 75 41
千歳 26 58 × ×

上記の降水量データを、更に30年平均と多い年との差を計算してみました。

20地域の平均は55mm差ですが、差が大きい地域を順に並べて見ると、①江差96mm差 ②室蘭90mm差 ③函館89mm差 ④浦河89mm差 ⑤苫小牧83mm差と、南側の地域で、その年により降水量が大きく異なる地域が多いことが分かりました。

風速

風速は5m/sを超えると強く感じ、10m/sを超えるとかなり強く感じますので、10m/s以上の日がどれくらいあるのか日数についても30年平均と多い年の日数を一覧にまとめました。

平均風速(m/s) 10m/s以上日数
30年平均 高い年 30年平均 多い年
札幌 3.5 4.7 1.8 6
稚内 4.6 6.5 2.8 6
留萌 4.1 4.8 2.1 7
名寄 2.3 3.0 0.1 1
旭川 2.7 4.3 1.2 5
紋別 2.6 3.5 0.8 4
網走 2.9 3.7 0.5 3
北見 2.2 3.4 0.1 2
岩見沢 3.6 4.7 1.4 5
小樽 2.2 2.9 0.4 2
帯広 1.9 2.8 0.1 1
釧路 4.1 5.9 2.2 5
根室 4.9 6.5 3.1 6
倶知安 3.4 4.2 2.0 7
室蘭 3.9 4.8 1.5 5
苫小牧 2.8 4.0 0.6 2
浦河 3.4 4.3 1.6 4
江差 2.8 4.3 1.4 5
函館 3.1 5.2 1.1 6
千歳 5.1 5.8 3.9 7

冬は、明確に沿岸部に風速が強い地域が多い傾向がありましたが、この時季は、沿岸部でも風の弱い地域もあり、特に明確な特徴はありません。

降雪量

降雪量(cm)
30年平均 多い年 少ない年
札幌 0.0 0 0
稚内 0.0 0 0
留萌 0.0 0 0
名寄 0.0 0 0
旭川 0.0 0 0
紋別 0.0 0 0
網走 0.0 0 0
北見 0.0 0 0
岩見沢 0.0 0 0
小樽 0.0 0 0
帯広 0.0 0 0
釧路 0.0 0 0
根室 0.0 0 0
倶知安 0.0 0 0
室蘭 0.0 0 0
苫小牧 0.0 0 0
浦河 0.0 0 0
江差 0.0 0 0
函館 0.0 0 0
千歳 0.0 0 0

さすがに、5月の下旬に対象の20地域では、30年間、降雪記録がありません。

5月中旬が最後の記録となり、6地域が該当しますが、いずれも1996年の1年だけでした。

紋別 1996/5/11:2cm
網走 1996/5/15:4cm、1996/5/11:1cm
北見 1996/5/11:4cm、1996/5/12:1cm
帯広 1996/5/16:3cm
釧路 1996/5/16:3cm
根室 1996/5/15:5cm、1996/5/16:1cm

最深積雪

最深積雪(cm)
30年平均 多い年 少ない年
札幌 0.0 0 0
稚内 0.0 0 0
留萌 0.0 0 0
名寄 0.0 0 0
旭川 0.0 0 0
紋別 0.0 0 0
網走 0.0 0 0
北見 0.0 0 0
岩見沢 0.0 0 0
小樽 0.0 0 0
帯広 0.0 0 0
釧路 0.0 0 0
根室 0.0 0 0
倶知安 0.0 0 0
室蘭 0.0 0 0
苫小牧 0.0 0 0
浦河 0.0 0 0
江差 0.0 0 0
函館 0.0 0 0
千歳 0.0 0 0

さすがに、降雪が無ければ、積雪もありません。

まとめ

5月下旬の北海道は、2019年5月26日に、道東方面の「佐呂間」において39.5℃という5月の日本全国記録を更新してしまうことが起きたように、不安定な時季です。

札幌の最高気温は、4月上旬9.2℃⇒4月中旬11.6℃⇒4月下旬14.4℃⇒5月上旬15.9℃⇒5月中旬17.7℃⇒5月下旬19.9℃と、順調に20℃前後まで上がり、良い時季に入ったように見えますが、気温の上下動がとても不安定な時季でもあるのです。

本州以南が、仙台21.5℃・東京24.6℃・大阪26.0℃・福岡25.3℃・那覇27.4℃と、夏直前まで来ているのに比べれば、やっと20℃まで来たという感じもしますが、北海道内の各地は、真夏の気温も冬の気温も発生する頃です。

そんな5月下旬の北海道について、気温だけでなく、降水量・日照時間・風速・降雪量などのデータを20地域分集め、まとめてみましたがいかがでしたでしょうか?

 

2019年5月26日に5月の最高気温全国記録を超えたのは、佐呂間の39.5℃だけではなく、帯広38.8℃・足寄38.8℃・池田38.8℃・湧別38.5℃など、道東方面の各地で異常気象が観測されています。

翌日の5月27日にも、帯広で35.8℃、札幌でも34.2℃となるなど、真夏の7月8月でも年に1回あるかどうか?の気温が5月に発生しました。

そのため、JR北海道は暑さでレールがゆがむ恐れがあるとして、列車107本を運休にしましたが、要はそれだけ北海道としては異常気象であったわけです。

しかし、前年の2018年6月4日にも道東方面が日本一暑い地域であったことがニュースになっており、それだけ5月下旬~6月上旬は、高気温の異常気象が生まれやすい時季であるということです。

帯広の最高気温が35.8℃(最低気温15.5℃)であった同じ日、もう少し東側の釧路は最高23.7℃・最低13.7℃、根室は最高20.8℃・最低8.4℃でした。

北海道旅行に来る方は、涼しいはずの北海道で35℃超えの猛暑を、しかも5月に経験することは全く想像できないことであると思いますが、北海道でも、熱中症にかかる危険性はあるのだということ、少し地域が変われば寒い地域も隣合わせているということを理解の上、天気予報のチェックをされることをお勧めします。

以上『【5月下旬】北海道20都市の気候案内(最高最低気温/降雪積雪/日照率/風速)』について終わります。

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