札幌のデパート/百貨店の利用価値は!?他都市と比較してどうか?

札幌への移住を決めた要因の1つに、買い物の利便性が良いことがあります。

札幌のデパートは、首都圏のデパートに比べればこじんまりとしていますが、デパート大好きな方でなければ十分に利用価値があります。

普段はコンビニやスーパー・ショッピングモールを利用していても、たまにはデパートへ行くと、ちょっとウキウキしますが、札幌のデパートはどれくらいの利用価値があるのか?

今回は、札幌のデパートへ行ったことのない方にもイメージしてもらえるよう、札幌の4つのデパートの比較だけでなく、他都市のデパートと売り場面積や売上高を比較してみました。

但し、2020年春以降のデパートは、新型コロナウィルスの影響を大きく受けてしまっていて、本来の姿とは違うものになっています。

また、それ以前も、インバウンド訪日客で賑わっていましたが、コロナ後にどうなるのかも不明です。

そこで、今回比較する売上高などについては、2016年度のデータを使うことにしました。

札幌のデパート(百貨店)の特色

ハシゴ買いできるのが札幌デパートのメリット

札幌市の商業の賑わいは、札幌駅周辺を中心に札幌駅~大通~すすきの約1.9kmの範囲に集中しています。

デパートは、札幌駅に「大丸札幌店」、札幌駅付近に「さっぽろ東急」、大通駅すぐ近くに「札幌三越」と「丸井今井札幌本店」の合計4つがあります。

4つとも地下街で繋がっているので、真冬の外は雪道となっているシーズンでも、デパートをハシゴするのが苦になりません。

例えばバーゲンセールなどの期間に、三越に行って気に入った洋服のサイズが切れていた時など、歩いて2~3分の丸井今井へ行けば残っているかもしれず、丸井今井も駄目なら東急や大丸に行ってみるという動きが取りやすいです。

4つものデパートを簡単に動き回るのは、恐らく東京では新宿・有楽町・銀座あたりでも難しいですね。

大阪駅・梅田駅付近なら可能でしょうか?首都圏育ちの私には、梅田近辺もゴチャゴチャし過ぎでハシゴ買いは厳しいように思えますが・・・

距離的なことだけでなく、一本道(地下道)を信号に停められることも無く移動できるのでストレスが少ないです。

札幌4つのデパートを売り場面積・売上高で比較

(売上高は、以下全て2016年度)

1.大丸札幌店:売上高622億円、売場面積45,000㎡
北海道札幌市のJR札幌駅にある大丸札幌店の写真

2.丸井今井札幌本店:売上高370億円、売場面積44,972㎡
北海道札幌市の大通公園にあるデパート丸井今井本店の写真

3.札幌三越:売上高263億円、売場面積22,998㎡
北海道札幌市の大通付近にある札幌三越の写真

4.東急札幌店:売上高234億円、売場面積28,629㎡
北海道札幌市のJR札幌駅付近にあるデパートさっぽろ東急百貨店の写真

札幌駅に位置していることもあり、札幌では大丸札幌が独り勝ちしているように見えます。

混み具合で言うと、三越が2番目、丸井今井・東急の順でしょうか。

札幌のデパートを他都市デパートと比較

札幌のデパートをよく見たことのない方には、札幌各デパートの売上高と売場面積の数字だけ見てもピンと来ないと思います。

そこで、札幌の百貨店と他都市の百貨店を比較してみますので、札幌のデパートの規模感(利用価値)をイメージしてほしいと思います。

札幌と東京のデパートを比較

東京新宿の伊勢丹新宿店の写真
伊勢丹新宿本店:2,685億円、70,325㎡
西武池袋本店:1,865億円、91,555㎡
三越日本橋本店:1,651億円、62,580㎡
高島屋日本橋店:1,329億円、49,234㎡

さすがに東京のデパートTOP4は、札幌とは比べ物になりませんね。

トップの伊勢丹新宿本店1デパートだけで年間売上高:2,685億円と、札幌4デパート合計の2倍近い売上があります。

札幌4つのデパートは、売場面積合計では伊勢丹新宿本店の約2倍もありますが、売上高は約55%にしかなりません。

ちなみに横浜トップ1の高島屋横浜店も売上高1,294億円(面積56,548㎡)と、札幌トップ1の大丸札幌の2倍もあります。

札幌と名古屋・福岡のデパートを比較

東京との比較では、さすがにスケールが違い過ぎますので、人口第4位の札幌(195万人)ということで、人口第3位の名古屋(229万人)及び人口第5位の福岡(153万人)とも比較してみました。

名古屋市の上位4デパート

名古屋駅の写真

➀JR名古屋高島屋:1,286億円、61,069㎡
②松坂屋名古屋店:1,206億円、86,758㎡
③名古屋栄三越:737億円、78,484㎡
④名鉄本店:454億円、55,000㎡

福岡市・上位4デパート

博多駅の写真

➀岩田屋本店:735億円、50,628㎡
②大丸福岡天神店:539億円、44,192㎡
③博多阪急:444億円、41,835㎡
④福岡三越:320億円、38,031㎡

3都市の4デパート合計

札幌市 :1,489億円、141,599㎡
名古屋市:3,683億円、281,311㎡
福岡市 :2,038億円、174,686㎡

札幌は人口に比べて、デパートの売上高・売場面積の両方とも、少ないことが分かります。

札幌のデパートと同規模の他都市デパート(例)

東京・名古屋・福岡に比べ、デパート(百貨店)の規模(売上・面積)が小さいことが分かりましたが、個人個人が買い物をする上で、何も最大限に大きな規模がなければならないという訳ではありませんね。

そこで、札幌の1つ1つのデパートはどの程度の規模なのか?

もう少しイメージし易いように、札幌のデパートと同じ規模の他都市デパートを併記してみました。

●売場面積
<札幌>大丸札幌店45,000㎡、丸井今井札幌本店44,972㎡
<他都市>高島屋日本橋店49,234㎡、大丸東京店46,000㎡、京王新宿本店44,193㎡、西武渋谷店43,236㎡、大丸心斎橋店46,490㎡、岩田屋本店50,628㎡

●売上高
<大丸札幌店>622億円
<他都市同規模>大丸京都店673億、大丸梅田店637億円、そごう千葉店  614億円、トキハ本店605億円

<丸井今井札幌本店>370億円
<他都市同規模>京急百貨店387億円、東武船橋店386億円、小田急町田店362億円、伊勢丹立川店357億円

<札幌三越>263億円
<他都市同規模>東急吉祥寺店273億円、東武宇都宮店263億円、新宿マルイ260億円、西宮阪急252億円

<東急札幌店>234億円
<他都市同規模>近鉄奈良店247億円、近鉄上本町238億円、高松三越230億円、有楽町マルイ223億円

札幌の「大丸」を他都市の大丸と比較

大丸神戸店の写真

同じ百貨店同士でも、他都市と比較してみました。

札幌店:45,000㎡、622億円
東京店:46,000㎡、748億円
京都店:50,830㎡、673億円
梅田店:64,000㎡、637億円
心斎橋店:46,490㎡、739億円
神戸店:50,656㎡、824億円
福岡天神店:44,192㎡、539億円

店舗面積では、梅田店以外はほぼ同規模と言ってよさそうです。

売上高では、神戸・心斎橋・東京とは差があるものの、京都・梅田などとは同程度で、福岡よりは高いです。

よって、大丸札幌店は、大丸の中では平均的なレベルと言えます。

札幌の「三越」を他都市の三越と比較

日本橋三越本店の写真

札幌:22,998㎡、263億円
仙台:33,820㎡、336億円
日本橋:62,580㎡、1,651億円
銀座:36,556㎡、810億円
新潟:20,596㎡、137億円
名古屋栄78,484㎡、737億円
星ケ丘:21,798㎡、190億円
広島:15,851㎡、155億円
高松:26,948㎡、230億円
松山:21,420㎡、141億円
福岡:38,031㎡、320億円

売場面積において、札幌店が福岡・仙台・高松よりも小さいのですが、人口からして、札幌店としては小さすぎると言えそうです。

また、売上高においては、店舗面積当たりの販売額に計算してみると、日本橋本店と銀座店の別格東京2デパートを除けば、地方系ではトップです。

やはり、もう少し売場面積を拡張しても良いくらいの売上高です。

デパートのブランドイメージを札幌と他都市で比較

よく、デパート・百貨店のブランド力についての書き込みをネット上で見かけますが、大よその見解は、高島屋・三越≧伊勢丹>大丸>松坂屋>鉄道系といったところで、関西圏のみ阪急がトップといった感じがありますが、調査データもあったので参考にしました。

>出典元【百貨店のブランドイメージ】に関するアンケート調査(第4回)
httpss://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/22409/index.html

上記調査の質問内容は、①信頼性・安心感、②品質、③独自性、④接客、⑤親近感、⑥今後利用意向の6項目です。

調査結果を全国的に見ると、独自性で伊勢丹が強く、親近感で大丸・そごうが上位に入った以外は、大筋で高島屋・三越・伊勢丹が上位を占めているといった感じです。

しかし、地域ごとで見てみると、北海道は大丸、東北は三越、中部は高島屋、北陸は伊勢丹、近畿は阪急、九州は三越と、1社への支持集中が強く出ています。

関東では伊勢丹&高島屋、中国は三越優勢+伊勢丹・そごう、四国は三越優勢+伊勢丹・高島屋と、少しばらけた感じでした。

札幌では、大丸が圧倒的に強い支持を得られています。

JR札幌駅直結という立地と、三越より店舗面積が2倍もあるのですから、当然と言えば当然ですね。

ちなみに、北陸では伊勢丹が1点支持されていますが、北陸に伊勢丹はありません。

京都の伊勢丹にお買物に出かける人が多いようで、東京へのお買物であれば、伊勢丹だけに集中はしないはずです。

札幌デパート/百貨店の歴史から現状の流れ

札幌のデパートで過去に閉店した店舗

・札幌西武百貨店:1906年に札幌興農園百貨店として開業した後、1997年に札幌西武へ改称したが、2009年に閉店しました。

その後継はありませんでしたが(2021年3月現在は空き地状態)、2020年になってその後の高層ビル建築の計画が発表されています。

・ロビンソン百貨店:1974年に札幌松坂屋として開業した後、1994年にロビンソンへ改称しましたが2009年に閉店し、その後は複合ショッピングセンター「ラフィラ」(地下にイトーヨーカドー)となっていて、2020年にビルの再建設のため閉館となりました。

・札幌そごう:1978年に開業した後、2000年に閉店し、現在では札幌エスタ(地下にエスタ大食品街、1~4階にビックカメラ)となっていて、JRタワー(ショッピングモール)の一角として賑わっています。

・ステーションデパート:1952年に開業後、1999年に閉店し、現在ではアピア(APIA)となっていて、JRタワーの一角として賑わっています。

・サンデパート:1962年に開業後、1983年に閉店し、つい最近までドン・キホーテ札幌店として賑わっていましたが、大型再開発工事に入っています。

そのため、ドン・キホーテはすぐ近くのビルに引越しして、現在も営業中です。

過去にあった、松坂屋・西武・そごうなどの百貨店ブランドは消えてしまい、現在ではほとんどが高級ブランドの入っていないショッピングモール的な感じで生き残っています。

札幌デパートの2000年以降の流れ

2000年以降の札幌デパート業界を取り巻く環境について、先ほどと被る所がありますが以下の通りです。

札幌の中心地は、2000年前半までは、大通を境として南側が商業エリア・北側は行政エリアといった感じで、南側・商業エリアにおいて、丸井今井本店や札幌三越が中心的な存在でした。

しかし、2003年にJR札幌駅再開発によってJRタワー・ステラプレイス(大丸+ファッションを中心としたショッピングモール)がオープンして以降、人の流れが大通駅周辺から札幌駅周辺に少しずつ遷移していきました。

大丸札幌店も、オープン当初から6年間は丸井今井本店より売上高が低かったのですが、2009年に逆転し、今では大差をつけた圧倒的ナンバーワンとなっています。

札幌デパートの元雄!丸井今井本店の縮小

丸井今井本店は、2位に転落した後も低迷が続き、2011年に札幌三越と合併し、「株式会社札幌丸井三越」が丸井今井本館と札幌三越の両方を経営しています。

2017年に三越伊勢丹グループが全国的に効率化を図る方針を打ち出し、2018年10月に丸井今井本店の4館あるうちの南館が営業終了となりました。

2018年10月末で満了となる建物賃貸契約を更新しないという形で、同じ南館に入っているジュンク堂書店などは継続されています。

さっぽろ東急百貨店に東急ハンズが移転

北海道札幌市の札幌東急百貨店に移転した東急ハンズの写真

2018年4月26日に東急ハンズ札幌店がさっぽろ東急百貨店に移転しました。

ハンズは、大通近くの市電通りにあったのですが、パッとしない感じで客数も少なかった感じでした。

以前は狭いフロアで何階にも分かれていましたが、移転した現在は、1つの広いフロアに展開されたことと、新たになったきれいさとで、なかなか明るく良い感じに変わって、客数も以前よりかなり増えた感じです。

札幌のデパート・百貨店需要が他都市に比べて低い理由

過去にいくつかのデパートが廃業となって現状に至っていますが、なぜ札幌は人口の割にデパート需要が低いのでしょうか?

その理由の1つは、所得の低さにありそうです。

>以下各都市年収データ出典元:年収ガイド

各都市の平均年収は、名古屋市393万円・福岡市345万円に対し、札幌市は309万円と極端に低いです。

札幌の平均所得(年収)は、名古屋より21%も低く、福岡よりも10%低い。

となると、必然的に買い物方法にも差が出てくるのでしょう。

所得が低い=単価が低くなる=デパートでの買い物需要は少ないといったところです。

恐らくショッピングモール系での買い物比率が高いのかもしれません。

札幌のショッピングモールについては、別途調べてみたいと思います。

ちなみに、東京23区を除けば人口第1位の横浜は403万円、第2位の大阪市は331万円で、その他各主要都市は、仙台市340万円、静岡市326万円、金沢市326万円、広島市342万円、那覇市311万円と、札幌が一番低いです。

最後に

現代の趨勢である以上にデパート(百貨店)業態があまり馴染まない札幌ですが、大丸と三越だけでもデパート(百貨店)での買い物として十分に機能しています。

東京以外のデパートには都心性と地方感があり、良く取るか悪く取るかは人それぞれですが、大丸と三越には都心性があり、丸井今井と東急には地方感があります。

必要に応じて使い分けられるのも、札幌のメリットかもしれません。

新宿の伊勢丹のような店ばかりでは疲れてしまいますよね?

また、北海道内でこれだけデパートが揃っているのは札幌だけです。

以上、札幌のデパート/百貨店の利用価値は!?他都市と比較してどうか?でした。

【出典・参照元】
日経流通新聞(日経MJ)掲載の全国百貨店売上ランキング
最新版!2016年 全国百貨店 店舗別 売場面積ランキング!
https://motokadenchan.seesaa.net/article/447026569.html
【 百貨店のブランドイメージ 】に関するアンケート調査(第4回)
httpss://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/22409/index.html
年収ガイド  httpss://www.nenshuu.net/

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